先日、「太秦ヤコペッティ」って映画を観たんですよ。主演の和田晋侍さんのファンだからです。明朗快活に。はー。和田さんかっこよかったわ〜〜〜〜。舞台挨拶のあとサインもらったわ〜〜〜〜。が、最も印象に残ったのは、超越した血まみれ家族(和田さん演じる百貫省二が世帯主。妻・佐奈。子・茂男)より、倫理、善悪の水際でいつも揺れて苦しむ、小早川という警官のことでした。いつも蛭子さんの漫画みたいな脂汗をかいていて、自分ではできない、ヤクザとか内臓バイヤーとかへの制裁を、恐怖心とか倫理観の狂ってる省二に押し付けちゃう。その弱さ。その卑劣さ。確固たる世界観の内部の現象より、そこから疎外されて振動している存在に、より、人間というものを感じてしまうのですね。しかもその小早川を演じたのは、わたしが中学生の時にファンだった元グレートチキンパワーズの北原雅樹さんでした。エーツーがデビュー〜10年目くらいまで使っていた芸名・「リーダー」「2号」てのは、グレチキの深夜ラジオ内での、メンバーの呼び方をそのまんまパクったものですから。ちょっと硬めの演技が、内面の折りたたまれ具合をよく表してたな、と思います。明日、19日までポレポレ東中野で上映してますから滑り込める人は滑り込んでください!!
で、影響されやすいバカことわたしは、北関東で映画撮るならどんなんにしよーかなー、というのを妄想し始めてしまったというわけです。以下、断片的に。
●まず主人公は、ぴっちぴちの服を着た太めの女。ものすごく若くはないが、ババアには早いという年頃。声が高くてでかい。
●利根川橋の登り口のてすりに、ゴミを加工して飾り付ける者がいる。それは何かのメッセージ。
●主人公の、年の離れた妹。バカ高校に通う美人。キタカンなので基本的にはヤンキー寄り。スウェット上下+ギラギラのキティサンダルで表を歩いてたりもする。
●この映画の大筋は、主人公の女(通称「豚」)が、妹の恋人を寝取る、というもの
●妹を装って妹の恋人を呼び出した「豚」と妹の恋人とが、すったもんだの上、無人精米所でセックスするシーン。醜いゆえの性的な蠱惑、嗜虐心、思惑など。
●七月の、青々とした一面の田んぼが、夕方直前の黄色い日差しにかがやいている。
●夜の自販機にあまがえるが何匹もひっついている。指の先がオレンジ色に透けている。
●狂ったようにひるがおの咲いている土手。
●狂ったようにグラジオラスばかり育てている庭。雨が降るととても美しい。
●仲間の遺影と花束を捧げ持って走る暴走族。追いかけるパトカー。その中に飲み込まれる、「豚」の妹と恋人(原チャふたりのり)。
●「うちお前の男とヤったんだかんね」
●食器洗い用のスポンジで靴の中敷きを洗うじじい。惚けたスマイル。
●バカ高校にて。トイレの中で菓子パンをむさぼる女子生徒たち。
●東京に行った証拠を見せながら自慢するもさい男。
●「豚」の、殴られた痣、いつも2センチくらい食い込んでいる下着。
●てすりにゴミを飾り付けている者と、主人公の妹との、奇妙な交流。
●「豚」と肉体関係を持った、妹の男に芽生えた、残虐な欲求、頽廃の心理。
●「豚」と妹の掴み合い、罵り合い、その後の妙にドライな歩み寄り。
●利根川の河川敷でおこなわれるレイヴのようなもの。
●てすりにゴミを飾り付ける者は、ピンクの電飾がギラギラついたゴミ屋敷の住人のじじいである。
●じじいはレイヴに、自作の爆弾を投げ込む。
●それを橋の上から眺める「豚」。ニヤニヤ笑い。
今日はこれで寝ます。PCトラブルとか単なる元気なしとかによって更新遅れて申し訳ありません。
8月11日他人アラモード@渋谷ラストワルツ、かなりどうかしてる夜になると思います。ご予約お待ちしています。