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台北の空気は湿っていてあったかかった。街はけっこう東京と似ているし、日本よりセブンイレブンいっぱいあるし、台湾ドル計算しやすいし、北京より漢字読みやすいから、ひとりでも来られるなと思ったな。東京に似ているのに、路地裏には
逆柱いみり的な世界が広がっていたりして、ワクワクしました。
台北でたべたおいしいもの:屋台のおばちゃんが売ってた小龍包という名の小さい豚まん。その後入った食堂の、これぞな小龍包。そのお店で売ってた、野菜の入った豚まん。夜市の屋台で弾丸先輩が買ったのをひとつもらった、ヒシの実(ほくっと甘くて、むっと沼っぽい)。セブンイレブンにビールを買いに走ってから食べた腸詰。台湾ソーセージは甘くてうまい。
台北でたべたまずいもの:ジャン子がコンビニで買ってたおでん(なんと、普通のおでんと辛いおでん、二種類あった)の、辛い方の、「血と米の餅」とかって書いてるもの。多分だけど、豚の血とご飯を混ぜて固めたものを、ひどく辛い汁で煮てある。その血と米の食感がいやだった。汁も辛すぎた。
台北で印象的だったもの:おとなしい野良犬。
わたしが台北であっという間に買い込んだ素敵なバカタイツ・バカ服については、後で写真と一緒にご説明いたしましょう。
ハノイにはとにかく食べ物が溢れていた。地べたで、色とりどりの果物や野菜や肉などが売られていた。ハノイの人は地べたに近しかった。地べたに、プラスチックの小さな椅子をトントントンと出し、小さなまな板でハーブなんかを刻んで、すぐフォーが食べられるようにしてある。路上があっという間に食堂になる。路地の至るところに、小さなティーセットが置いてあった。そこでお茶を飲みながら、人々はひまわりの種を絶えず割って食べ、殻をぴっぴと路上に捨てていた。
豊かな土の中から、無尽蔵にたべものが湧き出してきて、そのそばで人が生きている感じ。あれには感じ入るところがあった。肉も野菜も、力強く味が濃くておいしい。地べた食堂でプラスチックの椅子に座って小さなテーブルで蒸し春巻きと麺を食べた。お外で食べるとおいしいねー!という非日常感ではなく、みんながみんな、なんでもなく地べたで飯を喰っている、その感じになってみる、というのが愉しいのね。
他に入ったカフェなどもぱかんと開け放たれていて外に面していて、外には街路樹とはとても思えないでっかくてうにょうにょした木などが生い茂っていて、たいへん気持ちが良かった。
気持ちがいいと言っても、まったく小奇麗ではないのよ。青山のカフェとかのオープンテラスではないのよ(行ったことない)。バイクがとても多いから空気はきれいではないし、階段が濡れてたりトイレのドアが閉まらなかったりする。もちろん、小奇麗さなんか求めていないから、それでいいのだ。街路樹は、排気ガスのせいかコブコブになっているのが多く、そのコブにものをかけられたり、もじゃもじゃに絡んだ枝(こういう枝のやつはガジュマルだろうか)のところを祭壇にされたりして、崇められてんだか貶められてんだか、とにかくフル活用されていました。そのこだわりなく近しい様子もわたしは好きだったな。
妄想バンド漫画「サインボールズ」(詳しくは
こちら)に出てくるはずのバンド「馬鈴薯澱粉」改め「銃声フロム the GUN」のアー写、のばしてアーティスト写真。
メンバーは左から、とろ美(ベース)、弾丸先輩(ドラム)、大食い(現代活け花)、休憩中(プログラミング)。当初はとろ美がリーダーのバンドだったが、弾丸先輩がリーダーとなり、バンド名を変更することになる。ニュアンス(キーボード)とハーフ(ギター・ボーカル)欠席のままベトナムツアーを行うことになったサインボールズのバックバンドを務める。とろ美はサインボールズのマネージャーである。
サインボールズの2人。ポテト(左・ダンサー)、博士(右・ベース)
わたしがはいてる数字柄(見えますか)のタイツ、台北でゲットしたやつです。ていうか、この服で歩いてたら市場の売り子さんにえらく笑われたのですが、やっぱりバカそうに見えたからですかね。別の日にも2回くらい2度見された。1回は地元の人、1回は博物館に来てた欧米人。なにさ!
5月の旅本展には、サインボールズ・ハノイ編を収録した本を出したいと思いますのでよろしくお願いいたします・・・。ほんとに描けるかな、わたし。
ハス茶屋のおじさんが、元・%ホセの竹田くん(今のバンド名と竹田くんの下の名前をど忘れ)に似てたので一緒に写真撮ってもらったが、この写真はあんまり似てない。あと読者の方で竹田くんを知ってる方どれくらいいらっしゃるだろう。
ハノイでたべたものはだいたいみんなおいしかったです。だしとハーブとスパイスの重なり具合がすごくおもしろくて、決してどぎつい味付けではないのだけれどとても複雑な味がした。まず素材がいいし。鶏なんか、そこらへん駆け回ってるし。お前、明日のごはんですよって。苦手な人が多いというドクダミも、わたしはかなり好きでした。ミントも、おかずに入ってるってどうかな〜と思ってたけどよかった。タデも。ハーブはどれも葉がやわらかくて食べやすかった。
わさわさ湧いてくるものを、ひょいひょいと食卓に載せているようでいて、調理法はいろいろ手が込んだりもしている。その、ごはんに対する底力の強さのようなものを感じた。フランス占領下で定着したらしい、フランスパンやプリン、ヨーグルトも、ものっ!すごっ!どしっ!濃厚っ!というのではなく、暑いとこでも食べやすい、生活の中のたべものとして咀嚼されているように思った。
ハノイでたべたまずいものは、ご飯の後、もうちょっと飲みたくてジャン子と入ったバーで出てきた、べっしゃべしゃのフライドポテトでした。それから、ベトナムドンが余ったので空港で買ったハーブティが、甘いものも苦いものもめちゃくちゃにブレンドされていて不味い。これをどうにかおいしく飲みたい。
それからハノイでは小さい犬が人気らしく、よく飼われていた。つやっつやのつるっつるの仔犬を2匹抱いてるおじさんがいて、思わずみんな撫でさせてもらった。あの丸い小さい頭蓋骨のかたちそのままの頭!猫はかごに入れられがちだった。わたしは普段だんとつに猫の方が好きなのだが、ハノイの犬はおっとりしていてどいつもかわいかった。そして人が、決して愛想いいわけではないのだが、優しい。ものすごいブロークンイングリッシュでしどろもどろになってても根気強くつきあってくれるし、はにかむように笑ってくれる。昼間から路上でぼやーっとしてる男が多くて(女は働いてる)、ベトナムに住むなら男になりたいと思いました。
本にするというのもあって、どの辺までここで書こうか悩むところですが、ハノイネタ続くかも。