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  • 2017.06.09 Friday
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くまぐすごろく 最終回

あうー。下の「寝てた!」の投稿のところに、和歌山で撮った写真の中でいちばんかわいいと思うやつを貼ってしまい、もう出し尽した感じです。

だってこれだよ!?



一見よくわからないところが、またかわいいとわたしは思うわけですよ。
よーく見て。
顔を覆って仰向けで寝ている子パンダちゃんだよ!!

このさー、耳と鼻と口のはみ出ぐあいが絶妙なんだってば!!
そして手!肉球!!!ほわほわの毛!!!
もうかわいい。もうもうかわいい。
おててぎゅって握って隣で寝たいくらいかわいい。

こんなかわいい寝姿を、ガラスのきわっきわの間近で晒してくれるわけよ、和歌山のパンダちゃんは。まごうかたなきヘヴンですよ。セブンスヘヴン。いい気分。しっかしものすごい無防備だなー。


あい。んでは、南方熊楠の足跡を追う、オタクくさい旅のすごろく風記述、最終回だよ!
ちなみに次回からは、もっと熊楠の思考の森に分け入った風考察が始まります。うぜぇ・・・でもよろしく。ちゃんとおもしろくわかりやすく書くように努力はしますから。努力するだけですが。


●熱中症寸前の状態から、シャワー・夕寝を経て復活。
さあ、闘鶏神社の夏祭りに行くぞ。
元気ハツラツ、ホテルを飛び出す。

2こすすむ



●すごい活気!規模がでけえ!!両隣の駅の住民も全員来てるんじゃないかってくらいの人出。そして子供や若い女の子の顔立ちが素朴でいい感じ。若い男はちょっとヤンキーぽいのが多い。女の子は、ギャルギャルしくてもどこか素朴。かわいいなぁ。この辺、言葉も、どこかのんびりしてていいんだよ。京都みたいにははんなりしてなく、大阪よりは全然まるい。耳に心地よいのだ。







●どういう祭りか全く知らないまま圧倒される。なんか山車みたいのがいっぱいいて、ちょうちんや電飾でびかびかにしてある。
調べたらなんだかいろいろ由来や決まりがあるらしい。
町ごとに山車みたいのが出てるんだな、と思いつつ、その周りを練り歩くちょうちんに、カラスの絵が描いてあるところがあって気になった。カラスって、凶兆じゃないのか?なんだか不穏な匂いがして色めきだった。まあ、岩明均の『七夕の国』を思い出しただけなんだろうけど。カササギが村のシンボルなんだよなあ、七夕の国。(この時はまだ「やたがらす」を知りませんわたし)



●神社の境内で、山伏を目撃。初・ナマ・山伏!!!ほら貝!!!かっこええ。円盤カレー道場の試合に際して、たぐちさんが「負けたら山伏」と言ったことを思い出す。

そのくだりはこうだった(過去の記事より抜粋)。


たぐちさんに、もうすぐわたしの番だーどうしよー緊張するよーと
ぎゃーすか喚いたところ、
「滝か禅だな」とおっしゃいました。
滝!?滝に打たれてから挑めと!?
2:「じゃあ滝に打たれてここに直行するよ。もう、濡れたまんま。滝がカレーに入るよ。」
たぐ:「あーでも心静かになったりしない方がいいのかねー」
2:「そうだよ!精進カレーとか作り始めたらどうすんの!?昆布でだし取ってーがんもどきを肉にしてーとか。スパイスなんか使えないじゃん!」
たぐ:「だったら逆にあれか、ヘビとかむさぼり喰いながら、生卵とか丸呑みしながら、生き血啜りながらやった方がいいのか。もーギラギラしながら」
2:「きっとそうだよ!そんな感じでよろしくお願いします!」
たぐ:「負けたら山伏ね」



あれから1年以上の時を経て、わたしはやっとこ本物の山伏を目撃しております。そして人に山伏指令を出しつつ、たぐちさんはイベントで骨折してやんの。祭りで骨折って、御柱か(御柱では死人が出ることもあるらしい)!

ま、いいや。山伏、いつかはなりたい。コスプレでね。



●お守りを買う。境内をゆっくり見たかったが、とにかく人が多すぎて断念。屋台でなんか買ってビール飲みながら食べて、それで夕飯にしようと思ってたがどこも並びすぎてそれも断念。「はしまき」という知らないローカルフードっぽいものがあり、それを食べたかったが行列が長かったのでやめる。

祭りに気圧されている。1回やすみ。









●後ろ髪をひかれながら、闘鶏神社を後にする。熊楠の妻の実家って、こんな立派な神社なのねえ・・・ここで採取とかもしたらしく、もっと隅々まで見たかった。



●それでもビールくらい歩き飲みしたいよな、祭りなんだから、と、ビール片手に歩いてたら、ベトナム料理屋を発見。和歌山くんだりまで来てベトナム料理ってよ、と思いつつ、他に飯屋もないのでつい入る。・・・入ったらふつうの定食屋のメニューであれれ?おかしいな。もっかいメニューをにらんでたらお店の奥さんが「ベトナム料理のメニューをご利用ですか?」と言ってきた。あったぼーじゃい!しかしそうか、ふつうの定食屋もやらないと立ち行かないのか。確かに他のお客は焼き魚定食を頼んでるおじちゃん一人だった。

で、333と生春巻きと角煮頼む。あ、ここの生春巻きけっこうおいしい。スイートチリソースじゃなくてナムプラーベースのたれだし。フォーも頼みたくなるが割とおなかいっぱいになってしまったので、あと部屋に帰ってまだ飲む予定なので、ハス茶とチェーでおしまいにする。なんかサイケデリックなロックが店のBGMにはでかすぎる音で流れていて、ほろ酔いの頭にはやたらに気持ちよい。これなんの音楽ですか、って訊こうかと思ったけど音楽談義とかになったら困るのでやめた。



●夜の田辺、祭りの名残を楽しみながらホテルに帰る。



●朝ー!!今日は白浜へ。アドベンチャーワールドでパンダをみて、その後南方熊楠記念館にゆく。



パンダはもう、アンタ、こんなですよ。あ〜〜〜〜〜〜かわいかった。ほんっとにぬいぐるみが動いてるみたいだった。並ばないで見つめ放題だった。帰ってきてパンダ熱が冷めやらないのでこの本買ったら、パンダの飼育って難しいんだということを知ったので、こんなにパンダがころころ好きにしているアドベンチャーワールドって、すごい施設だと感心した。繁殖にも成功しているしね。

まあ、パンダは熊楠めぐりとは関係ないのでこのくらいで。



●南方熊楠記念館に行くバスに乗る。海岸の奇岩が見える。すげげげげ
ものすごい海っぺりにあるだよ。


大きな地図で見る


バス停を降りると潮のにおい。海っぺりっぽい植物が生えている。



こうゆう、葉っぱがてかてかしてる植物が多いんだよな、海っぺり。「ハマアザミ」みたいな名前だろきっと、と思って調べたら、まったくその通りだった。うふふ、道すがらの植物を観察って、熊楠気分♪



●記念館の敷地に到着。しかし、建物までがすごい。めちゃくちゃ傾斜のきつい坂道をのぼるのだ。「お使いください」って杖が置いてあるくらい。ひええぇ・・・しかし脇に南国っぽい植物がたくさん植えてあって、関東では見かけない大きな蝶もふわふわ飛んでいて、きついながらもわくわくする。溝にはやっぱりカニ!「そっとしておいてね」という看板あり。なんの注意書きもなく唐突にカニがいる高山寺の方が好きだが。


●やっと建物に入れる。人、いねえ!屋上からの眺めがとてもよいらしく、それ目当てっぽい親子連れが一組いたがすぐ帰った。貸切状態。まあ、熊楠にものすごく興味がある人しか、あの坂登りたくないと思う。しかし熊楠ファンにはたまらぬ展示物がたくさんあった。収集に使った道具や、有名なフロックコート、眼鏡など、田辺の顕彰館ではレプリカばかりが展示してあったが、ここのは実物だ。ハード熊楠マニアは白浜の記念館に行くべし!
しかもここで、初めて粘菌の変形体を顕微鏡で見ることができた!!



粘菌の変形体って、こんなです。原形質が流動して、バクテリアとかを捕食しながら時速1〜2cmで移動するんだよ。そして適当な環境になると、キノコみたいな子実体になって胞子をとばすのだ。不思議な生物だ。子実体の標本もいくつかあった。



●屋上から、熊楠が昭和天皇を迎えた神島が見えるらしいので上がってみる。神島、小せえ。しかし思いっきり海だ。知ってる海と違う感じの海。うまく言えないけど。遠くまで来たなあ。
(こうゆう絶景スポットで写真を撮らない悪癖。記事用に、とかいう頭は働かなかった。スマン)



●閉館時間になったので、またあの坂をよっちらよっちら降りて、バスに乗った。
ああ、濃密な時間だった・・・



●次の日は、帰りの電車の時間や天気や体調をすり合わせた結果、行こうと思っていたくまの大社本宮は止しにして、熊野那智大社、那智の滝、補陀洛山寺に行くことにした。
しかし那智大社と滝を見ているとき、思いっきり雨に降られ、補陀洛山寺では、番をしているおじちゃん(住職ではなかった)に、なんで杉並木行かなかったのかとおこられ、ちょっと残念な感じでした。

しかし、田辺から、那智大社のある勝浦までの電車の中、そして勝浦から三重に向かう電車の中から見えた紀伊の山々がほんとうに美しく、この時に考えた熊楠の思想についてとか、信仰についてとかは、今回の旅がとても実りのあるものだったと実感できることだったので、くまぐすごろくはこの山の中でアガリにしたいと思います。

では次回、山や思想について〜〜〜。

寝てたー!!



ごめんなさい!夜書きます!!


ゾクゾクくまぐすごろく

●蚊に刺されまくり泣きながら南方熊楠顕彰館を逃げ出したわたし。
蚊スポット(Kスポットって言ってもいい?)を去っても、かゆみはさざ波のように押し寄せる。スパッツの上から脚をぼりぼり掻いていると、発熱してきて生命の危機を感じる。炎天下、既にじゅうぶんに暑い。そこにきて蚊熱はやばいよ。

3回やすみ。



●自販機でミネラルウォーターを買い、スパッツの上から脚にばしゃばしゃ塗りつける。
おう!ちべたくて気持ちいい!蚊に刺されたら冷やすのがいちばん!!

2つすすむ。



●さて、顕彰館の案内係のおじちゃんに、熊楠のお墓ってどこにあるんですか?と訊いたら歩いていけそうだったので行ってみるのだ。しかし聞いた道順を、うっすらとしか覚えていない。それにしても暑い。午後2時とか3時の、いちばん暑い時間帯なのだ。腹も減っている。ああくらくらする。



●ふと気づいて、さっき買ったミネラルウォーターを腕や首や耳にも塗ってみる。あっ、これいい!風がそよそよ吹くと涼しい。田辺がいつもそうなのか、今日がたまたまそうなのかわからないが、湿気は少なく透きとおった暑さなのだ。た、助かった。以後継続的に、水をからだにかけたり塗ったりする。



●どうやら道に迷った。川を渡るのだが、橋が出てこない。東屋のようなところで休む。途方にくれる。

2回やすみ。



●多分、これ来過ぎたな、おじちゃん徒歩15分くらいって言ってたけど25分くらい歩いたもん。と思い、引き返す。人がいない。心細い。暑い。

10こ戻る。



●どうやら寺っぽいものが見えてきた。やったー!よかったー!寺を探してこんなに気持ちが上下することもそうそうあるまい。




●「高山寺」到着。参道が階段。
脇溝のところに赤い花が咲いてる、と思って近寄って見たら、カニだった。



フランクにそこにいるカニというものに慣れていないので、少なからずギョッとし、次の瞬間にはテンションがだだ上がり。カニー!カニかわいい!!よく見るとげっと思うほどいる。水の溜まっているところにはわしゃわしゃいる。真っ赤なのから、赤黒混じりのから、紫がかった黒のまで。参道にカニがいる寺、高山寺!!マーベラス。わたしもうカニのいる寺しか行きたくないです。



●しかし熊楠の墓がなかなか見つからない。またしても蚊に刺されまくる。
線香を売ってはいるのだが、墓地ゾーンから遠くて火をつけて歩ける気がしない。
手ぶらで墓地ゾーンへ。どこ〜?熊様のお墓どこ〜?
しばらく迷っていると、看板が出ているのに気づいた。
線香もお供え物もなく、手だけ合わせた。
帰ってきてから知ったのだが、同じ敷地内に朋友・喜多幅や毛利の墓もあるらしい。あああ知ってたらそっちもお参りしたかった!!!



●とにかく腹が減ったので、食べ物を探しつつ帰る。川に、鵜だと思われるでかい鳥がいた。



●ファミリーマート発見!!!!涼しい。食べ物がたくさん。田辺に来てコンビニがなくて不安感をいだいた。やっぱりコンビニはわたしのオアシスだ。しょうがないじゃん。
おにぎりと、ファミチキと、お茶と干し梅買う。
食べながら歩く。

3つすすむ。



●街が、祭りの準備でざわめいている。警官が辻ごとに立って無線でやりとりしているし、じいちゃんばあちゃんがそわそわした様子で家の前に椅子とか出して座り、その様子をながめている。
祭りの前の感じって、なんか特別でいいなあ。いいときに来たなあ。



ところで、石を売っているとおぼしき店?家?がありました。
先日の円盤夏祭りでも、石を売る人がいたんだけど、流行ってんの?リアル「無能の人」。




●いちばん右の植物、熱海で気になった「クローンコエ」です。朦朧ととしながらも目ざとくみつけて、ここぞとばかりにチビ助いっこちょろまかしてしまった。土に置いたら根付いたよ!!うれしくてたまらんのです。

1こすすむ



●「辻の餅」というお菓子やさんで、「おけし餅」を買う。丸い平べったい餅に、つぶあんがまぶしてあるもの。朝通りすがったらもち米をふかすいい匂いがして、気になっていた。そしたら、「おけし餅」は熊楠の好物だったらしい!!すごいセンサー!!やった!!素朴でおいしい餅でした。



●もうとにかく疲れたので、宿に戻って祭りまで寝ることにする。
オヤスミなさい。


つづく。次回で最終回にしたいです。


続 くまぐすごろく

●さて驚異の参道を通り抜け、奥の院に到着。お札を買う。しかしお賽銭にする小銭が全くなくなってしまい、線香や御摩木も買えない(無人販売なので)。賽銭投げないまま手を合わせたがどうも居心地が悪い。早々に立ち去る。



●またあの参道を戻る。分岐点で、来た道と違う方を選ぶ。そうしたら、途中から全く人がいなくなった。ものすごい異空間に迷い込んだ感覚。ワープ。


(参道の写真、全く撮っていなかった。唯一撮ったのがこれ。杉の大木から別の木が生えていて、
赤い実をつけていたのがかわいかった。写ってないけど。ヤドリギとは違う感じの葉っぱだった)



●高野山から田辺市に向かうが、なんと4時間くらいかかる。同じ県内なのに。
紀伊半島は、真ん中が山で周りをぐるっと回るようにしか鉄道がないので、県内の他の場所に行くのにちょっと不便なようなのだ。



●田辺到着!!ここが熊楠が定住した土地!!うっひょひょーい!!



●まずいラーメン屋の生ビールを値段見ないで頼んだら600円もしていた!ぎゃふん。
 メンマが酸っぱかったんだよ、古かったんだよ!
 さらに24時間やってるスーパーでオクラサラダを買ったらこれも古かった。
 朝方、腹壊す。3回やすみ。



●田辺の街に繰り出す。モーニングを食べに入った喫茶店、常連さんがいっぱいだが朝なのでそんなに肩身が狭くない。「パンおいしいやろ?」と、ママがお客さんに言っていた。うん、おいしいパンだ。
どうやら夏祭りらしい情報ゲット!しかも、熊楠の妻・松枝の実家、「闘鶏神社」のお祭りらしい!
ラッキーラッキー超ラッキー!



●田辺、散策開始〜!!

ああ、いい町並み。うゆうとこ、大好き。
(高野山とか、那智の滝はわたしが写真撮ってもしょうがないのでぜんぜん撮ってません。
田辺の街の写真だけは大量に撮った)




























それにしても、あ、あ、あ、あづい・・・

●生命の危機を感じ、通りすがりの本屋に避難。1回やすみ。



●と、おお?こ、の本屋さん、「多屋孫書店」というのだが、「多屋」というのは、この辺のお金持ちだった家の名前で、熊楠が田辺に来てからしばらく厄介になっていたこともある。「多屋孫」というのは、「多屋」と関係ある苗字なのだろうか?どちらにせよ、「ああ、田辺に来たんだなあ」という感慨は勝手に盛り上がる。しかも、店の片隅に「田奈部豆本(田奈部は、万葉がなみたいなもの?)」というコーナーがあり、郷土の歴史や名人物や特産品についての豆本が棚に並んでいる。ふへー!すごーい!こんな、地域に密着した本の文化があるんだー。と、京都で本の持込みをしてきた後だから、感心する。
「安藤みかん」という豆本を買う。安藤みかんは、熊楠の家の庭に植えてある柑橘類で、熊楠は便通をよくするために毎日このみかんの汁を飲んでいたそうだ。

思わぬ収穫。2つすすむ。



●あてずっぽうにぶらぶらしていたが、暑さがきつくなってきたので「南方熊楠顕彰館」に向かうことにする。



●顕彰館、新しくてきれいで涼しい・・・熊楠グッズがあることを横目で確認しつつ、粘菌のビデオや資料を見て涼む。宗教学者・中沢新一が書いた南方熊楠論が最も好物なのだが、何かの展覧会のパンフレットに、中沢新一が文章を寄せているのを見つけて喜ぶ。



●グッズ買い込む。手ぬぐい2種、レターセット。レターセットは、若・中年・老人と、3バージョンの熊楠シールがついている。このシールだけいっぱい詰めて売り出せばいいのに。あとかっこいいTシャツとかあったら嬉しいんだけど。



●隣接する旧邸を見学。やーーーーん、素敵なお庭!!植物がたくさん植わってて。
 し・か・し!!泣くほど蚊に刺された。ウェットティッシュタイプの虫除けなど全く役に立たないほど、でっかい蚊がわらわら寄ってくる。ついでに、蚊と同じくらいわらわらと、セミがいる。シネシネシネシネと鳴く、クマゼミだ。アブラゼミよりはうるさくない。翅も、アブラゼミは茶色く濁っていてあんまりきれいじゃないが、クマゼミの翅は透き通っている。

ストッキングの生地のスパッツをはいていたのだが、その上から蚊にさされて、どうにもならない気持ち。泣く泣く、逃げ出すように去る。あーーーもうちょっとゆっくりみたかったよー。
3こ戻る。

つづく







くまぐすごろく

ほえ〜〜〜。さぼってごめんなさい。和歌山から帰ってきたら超呆けちゃったのさあ。4泊5日で行ったのですがね、そんなに長く出掛けるの、めっっったにないので、なかなか気持ちが帰って来れなくって〜〜〜。

なぜ和歌山なのかというと、ここ数年、和歌山出身の明治期の学者、南方熊楠に夢中だからなのです。どの辺に夢中かと言うと、いろいろケタ違いなとこ!10〜15歳くらいの時、漢文の図鑑を人んちで読んで覚えて家で書き写し、東大(当時は大学予備門)受かったけど本読んで植物採集ばっかりしていて落第し、アメリカやイギリスやキューバに渡って、むこうの学者をコテンパンに打ち負かし(もちろん学問で、だ。あとは鼻を噛み千切ったりゲロを吐きかけたりね)、誰も「エコ」とか言ってない時代に、上っ面でない、人間の社会や心理にまで結びつけた環境保護を提唱した。

熊楠は、民俗学、語学、植物学、動物学と、なんでもどんと来いの広くて深い知識を身につけていた。そしてそれらは、類稀なる洞察力につらぬかれていた。いや、つらぬくというより、洞察力によって、有機的な網のようなものとして意識されていた、というのかな。ただの博識ではなかった。
また、いい大人になっても子供のようなところがあり、ほんとの子供から大人まで、たくさんの「子分」や友人がいて、特に、30代半ばで和歌山県田辺市に定住してからはそういう話がたくさんあるのだが、かれらは奔放な熊楠の面倒をみたり、採集の手伝いをしたり、一緒にはしゃいだり、闘ったりしたらしい。変人だが、いつも人を引き寄せたようなのだ。

熊楠が最も熱意をもって研究したのが、隠花植物、キノコ、そして今は「変形菌」と呼ばれている、不可思議な生物「粘菌」だった。わたしはたまたまテレビで見た粘菌への興味から南方熊楠を知った。そしたら、父親もむかし熊楠に興味があったらしく、家に関連書籍が何冊かあったので読んだらハマってしまったのです。熊楠は、那智の山中で、粘菌の不思議な生態を観察し、それを真言密教と結びつけ、複雑で深大な理論体系(曼陀羅、と熊楠は言っている)を導き出したという。後になって「南方マンダラ」と名付けられた。粘菌と密教!!なんと魅惑的な、蠱惑的な、マ、マ、マリアージュ!(味の説明みたいですみません)


ハイ、ちゅーことで御託はもういいすね。んな感じでわたしは、南方熊楠が生まれ暮らした和歌山に、ずっと憧れていたのです。だから、らき☆すた好きなオタクが鷲宮神社に行くことを「聖地巡礼」と言うように、わたしもいち熊ヲタとして(ってこの呼び方ヤダ、「グスラー」にしよう)、熊楠ゆかりの「聖地」を巡礼したのです。なんかね、戦国武将に萌えて城に行ったりする「歴女」の気持ちがちょっとだけわかってしまったわ。まあ、わたしが熊楠に萌えているかっつーとちと違う気がするのだが、天才の変人、野性の知性は大好きなので、じゃあ、えー、好きなタイプは南方熊楠で。しかしわたしの思い描く熊楠像は九割くらい水木しげるの漫画『猫楠』の熊楠だから、コミカルに色眼鏡しすぎなとこがあるかもしれない。


でだ、この熊楠巡礼を、すごろく風にぺろっと書いてみようというのが「くまぐすごろく」です。「語録」じゃないからね。「すごろく」だから、ひとつよろしく。では、スタート!!

・・・何故かスタートは高野山です。

熊楠は、高野山の僧侶、土宜法竜と交流があり、書簡のやりとりをしていたばかりでなく、高野山に行ったりもしていたらしい。熊楠が「南方マンダラ」の構想を完成させていくにあたり、大きな影響を及ぼしたのが真言密教であり、この土宜法竜だったというわけさ。よって、高野山!!

●高野山、到着。おなかへった〜〜

●何も見物しないまま、和菓子屋「麩善」に直行、笹巻あんぷを購入、歩きながらいただく。

よもぎいりの生麩でこしあんを包んだおいしいおまんじゅう。

元気がつく。3こすすむ。



●しかしまだハラヘッターなので、お昼をたべようと思います。
ヘヴィ腹減りにつき、精進料理は却下!刺激を求めて、インド風ベジタリアン料理にする。
しかしなんだかぼやっとした味で、まずくはなかったがちょっとがっかり。
大人しく粛々と精進料理をいただけばよかった・・・

1回やすみ。相席した、会社の昼休みっぽい男女二人連れと少し会話したり。



●しかしベジ料理ってなんか体が軽くなる!ふしぎ!元気ハツラツ、みやげ屋の並びに飛び出す。

2こすすむ。



●仏具屋兼みやげ屋(って、高野山ならではのすごい「兼」)で、浮かれて般若心経てぬぐいと、お遍路さんが肩から提げるお札いれみたいの買う。てぬぐいはわかるけど、お札いれショルダーはどうやって使うのか見当もつかない。浮かれすぎ。

1回やすみ。



●「総本山金剛峰寺」に到着。
襖絵にふわふわする。石庭もうつくしかー!お茶までいただいて。ふう・・・
とてもふしぎな、しずかな心持ち。寺っていいにゃあ。
ついつい、お清めされたお守りの砂など買ってしまう。

砂を手に入れて、「ハイパー2コちゃん」に変身したので、4こすすむ。



●「壇上伽藍」に到着。
金堂、かっくいい!腕いっぱいある系のヒトたち(いや、仏像なんだけど)ってえれぇかっこいいよねー。ブツだけじゃなく、密教の空間の作り方、最強だなぁ。

庭で、松葉を拾う人を尻目に、わたしはモミジの種を拾った。なんか霊験あらたかな松らしいよ。わたしは高野山のモミジを発芽させて、かっこいい気分に浸りたいと思います。

「大塔」やべえ!!金ピカ仏、目白押し!しかも柱にも菩薩描かれまくり!!!
曼陀羅をかたどった内部構造になってるんだって!そういえばそうだ。大日如来が真ん中にいて、周りを菩薩が囲んでいる。こりゃー胎蔵曼陀羅じゃね。柱に描かれている菩薩たちの、極彩色、夢のよう!お乗りあそばしてる蓮華台のさー、花びらのひとつひとつに繊細な模様が描かれているのよー。お一人お一人違う色や柄なのよー。そんなの見たことなかったわあ。
幼稚園の頃、想像して架空の花を描く、って課題があって、わたしはここぞとばかりに花びらも茎も葉も極彩色の花を描いたのだけど、それを思い出すくらい執拗に想像されていた、あれは。極楽にかんする想像って、やっぱ「花」なのな。

しかも隅っちょで若い坊さんが先輩に、読経のレッスンを受けている!!!
なんという、ぜいたくな光景・・・あー、涅槃にいっちゃいそう・・・

みやげを買い漁りながら、ワーーープ!



●「奥の院」入り口に到着。すげっ!ロケットの墓、しろありの墓、UCCの墓とかある!なんじゃこの何でもアリ、超ウェルカムモードな感じ。おもろ。おもろいが、辺り一面の墓って、やっぱりちょっと背筋がゾクッとする。


●親鸞の墓を見ついでに倒木を覗いて粘菌を探すが、全く装備がなってないし先を急いでるのもあって全く見つからず。1回やすみ。



●奥の院参道に驚愕する。あすこはあれですよ、「あの世」です。杉の巨木がどかどか生えてて、五輪塔がにょきにょき生えてて、その隙間を大小のおびただしい地蔵が埋め尽くしていて、それらがことごとく苔むしている!なんっっっじゃあらあ!!水木しげるが描く点描の怪しげな空気みたいのがたちこめていたね。和歌山旅行の中でもっとも印象的な体験でした・・・


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