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  • 2017.06.09 Friday
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「エーツー宇宙」中間報告

うー!寒いのと暗いのキライ!の2コです!
日照時間よ早く長くなってくれ。

今週はですね、年明けに迫って参りましたニヒル牛での展示「エーツー宇宙」が
いま現在どんな感じなのか、書かせていただきたく思います。
「ぜんっぜん、すすんでねえ」
オワリ。

嘘だってバ!話を聞いて。

ちゃんと、あれだから。なんか、その、ほら、ね?

じゃまず、展示の概要をできるだけ細かにご説明します。
ご説明なんかまっぴらだと思う向きもあるでしょうが、知らんよそんなことは。

「エーツー宇宙」
期日:2011年1月9日(日)〜1月28日(金)

テーマ:
リーベのやつが唐突に興味を持ち出した「宇宙開発」を自分たちの活動に強引に絡めつつ、
「エーツー」というよくわからない、誤解されがちな、本人たちは相当語りたい、
一種の「宇宙」について、ここぞとばかりに誇示してみようかなという試み。 

出品予定:
●人工衛星や宇宙ステーションをかたどったアイドルグッズ
(って、自分で書いててハテナマークでいっぱいだが)

えーえー、このために「ホットカッター」なるものを買ったり、
「ウルトラなんとか」という、よさそうな接着剤と100均の接着剤をジャンケンで取り合ったり、
そんでそのジャンケンにわたし負けたりしたんですが、
残念ながら現時点では「ゴミ感」に満ち溢れております。
つーか、本人たちは「ゴミ」って呼んでます。宇宙ゴミ・・・「スペースデブリ」ってゆーんだね。
ニヒル牛に集う、手先の器用な、こだわり溢れる、素材にも詳しい造形作家さんたちから見たら救いようがない不器用さと粗さでお送りせざるを得ませんのエーツーです。

これをどう売り物、見せ物に高めていくかというのが我々の課題であります。
宇宙開発について知識のあるリーベと、ほとんどない2コの各々の工作が、
どこに着地するのか、難破するのか、テキトーに、鼻でもほじりながら思いやってください。
ゴミのままだろーが、芸術作品になろーが、会期中は天井からぶらぶら下がってますから。

あ、人工衛星やらをかたどりつつアイドルグッズでありつつ、くつしたが干せたり
便利な文房具だったり小銭が入れられたりします。無駄にユースフル!!
(この説明を円盤たぐちさんにしたら、「要素盛り込みすぎじゃない?」って言われた)

●リーベによる宇宙開発ポスター
売るかどうかは未定。このためにポスターカラーを買いました。
きっとものすごくポスターらしいポスターができてくると思います。
スローガンは、
「北関東から始める宇宙開発」だっ!!

●宇宙開発らしい写真
つまりすごくわかりやすい間違い探しです。

●宇宙開発ガチャガチャ
あるさんが「ガチャガチャもエーツー仕様にしていーよー」と言ってくれたので。
まだ全く手付かずですが、思い切ったハズレからそこそこの当たりまでを入れたいです。

●エーツーの驚きの歴史「あるばかものたちの記録」
エーツーの15年の活動を、「・・・バカ」という視線(ひろかが言ったんだもん、呆れた顔して)で知らしめる、読めば読むほどあきれるコピー本を、わたくし2コが書きます。
中学時代の活動が濃すぎてバカすぎて書き終わらない。これいつ「現在」に追いつくのか。
うるさい主義主張はすっとばして、自分でも「なんだろこの人ら」って思うとこだけ書いていきます。エーツーを知らなくてもきっと可笑しい。

リーベによる「わたしの宇宙開発」的な作文も掲載予定。
このために作文用紙を買いました。
ちなみにリーベは小学生の時作文クイーンで、やつの常套手段は
「書き出しをセリフで始めて躍動感を出す」でした。

●エーツー着せ替え人形
これすごくかわいくなる予定!!


みよ!!!!リーベ人形だ。
今はマッパですが、ちゃんと下着作りますから安心してください。
そして、宇宙服も作ろうと企んではいるものの、
着せ替えの宇宙服ってどうやって作ればいいの?
ちゃんと着て脱げないといけないんだよねー・・・(気が遠い)
他は、衣装に似てるセーラーワンピやラフレシア帽なんかをセットにしようと思っています。
後から、山伏の装束とか、前に衣装にしてたデコカッパとかも追加できたら楽しそう。
2体ずつくらい作れるといいなと思っています。
楽しいから、展示終わってもアイドルグッズとして作り続けたい。

●歴代ビラ絵展示
割とがんばって描いたビラの絵を数枚貼っておきます。
自分で自分をモチーフにして澄ましている図々しさ。

●幻の2ndアルバム「エーツーとおぼえる英熟語100」再発
19歳くらいの時、リーベが浪人だったので作ったカセットテープ教材。
いろいろ間違ってます。
夏にイベントに出させていただいた丸芽さんが、このテープのことを未だに褒めてくださっていたので、この機会に、あー、出すかー、と。
音楽ソフトいじらねばなので、うまくいくかわかりませんが、やってみます。
これで勉強したら落第確実!!ガンバレ受験生!!

●皆様に描いていただいたイラスト、塗っていただいたぬりえ


(解禁!!mamecoが作ってくれた宇宙双子の服写真!!)

読者の皆様、上の写真のイラストやら、エーツーと宇宙が一緒くたになった絵やら、
なんでも、描いていただけたら嬉しいです。
そして展示させてください。

データでいただける場合は、
eetsuu2coアットマークgmail.com
までお願いします。

実はとっても素敵なのを、既に何点かいただいてるんですよー★
うれしやうれしや。
ま、きっとそんなにたくさんは来ないであろうので、自作自演しまくりますけど。
しかし気軽に参加していただけるように、ぬりえもご用意いたしましたのです。

じゃーーーーーーーーーーん!!!!

(でかすぎた)
これ、円盤店長たぐちさんが描いてくれたの!!!
うめえ!味わい深い!

エーツー宇宙のビラ置きにお店に行ったら、たまたまライヴではなく古本市の日で、
展示の趣旨をこれこれこーで、って説明して、
「これ、絵描いてくれるひといないかなあ」って言ったら、


「じゃあ今描くよ」

って、すらすらすらって描きはじめた!!
その書き順がとても変わっていた。
人間の絵を描く時、なんとなく顔の輪郭線から始めて、髪の毛、顔のパーツ、
首、肩、腕・・・って、上から描いていきますよね?たぶん、多くの方は。
でもたぐちさんは、なんか、髪、肩、からだの線、顔・・・みたいな、
不思議な描き方してて、
「あー。見たまんまを、座標みたいに認識して描いてんのか、
なんちゅーか、さすが、フラットな物の見方」
とか、へんに感心してしまった。
「円盤」だけにUFOも描いてくれて、とっても嬉しかったです。
もちろん原画も飾らせてもらいますが、
ぬりえにもちょうどいいと思うので、どうぞ塗ってください。
この画像を保存して、プリントアウトして塗ったりPC上で塗ったり、
同じものをニヒル牛にも置かせてもらったのでお店で塗ってもよろしいかと思います。
もう少ししたら、わたしが描いたぬりえも公開します。

これらの怪しい絵で、店をいっぱいにしたいんですよー!
みんな手伝って。


そしてもちろん、会期中イベントもやります!

★1月16日(日) 宇宙と似顔絵の日
営業時間中、エーツーがお店にいますので、
リーベに宇宙開発のことを教えてやってください。
似顔絵も描いてください。展示しますから。

宇宙ばなし、似顔絵、どちらかでも参加していただいた方には、
宇宙なスイーツ=スペーツ、宇宙食をふるまいます。
スペーツはちゃんとおいしく作ります。宇宙的ドリンクも考えています〜。

乙女からの要望あらば、野ゲーキ作りにニヒル牛近所に出かけてもいいかなと考え中。


★1月23日(日) 作詞・振り付け塾ミニライヴ・ごはんつき
閉店後のイベントになります。20時20分くらいから小一時間くらい?

ライヴでは決して語られることのない、
作詞・振り付けの奥義を教えてしまいます! きっと相方すら知らない、歌詞のひみつとか。
ごはん食べながらへらへら聞いてください。
しかるのち、ライヴをビシっとやって〆ます。
15人くらい集まったら嬉しいなあ。1000円にしようと思います。

もう予約受付開始してしまおうかな。ガラガラだとさみしいし。
とりあえず2コメアドまでください。
もう少ししたらニヒル牛でも受付始めてもらおう。

15名様先着ですんで、ぜってえええみてええええ!という方はお早めに。

ちなみに、白いコメと汁物だけ用意しますので、ふりかけなど持ってきてください。
ドリンクは、紙コップにお茶はありますが、ビールのがいい、って人は買ってきてください。
ただし、別にその後お店で飲めるわけじゃないので、せいぜい1本か2本でいいと思います。
泥酔とかされたら困ります。

たぶんこの日がいちばん「エーツー宇宙」。神秘的だと思います。
なぜならわたしは曲を作り終えてしまうと、なぜこんな曲を作れたのか、
さっぱりわからなくなってしまうからだ。がんばって思い出します。


どうなるのかねー「エーツー宇宙」。
たのしみだが仕事とマガジンと作品づくりの両立?三つ巴?で、
すっかり腰が痛いです。立ってると痛い。もう立ちたくないです。

来週は、野ゲーキつくれぽ第2弾を紹介させていただき、
ブルボンについていただいたコメントをまとめ、
遅れまくりですがお返事など書けたらな、と。
全く別のことになる可能性もなきにしもあらずですが。

それではまた来襲!


おたより広場

ううう。先週うっかり書き始めてしまった物語が、終わらねえ!

コソコソ進めてはおります。ちゃんと山場に向かってはおります。
たまにそっと覗いてみてください。

ちゅーかね、怖いね、「物語」ってね。
自分で気軽に始めといてなんだけど、
知らないうちにどんどんこちらを侵食してくる感じ。
小説家とか、どんな頑丈な神経してんだ?
頑丈なのではなくて、柔軟なのかな。それとも冷徹なのかな。
とにかく、侵食してくる「物語」の扱い方を自分なりに決めておかないと、
あたまが変になりそうな気がします。


というわけで今週は、人のふんどしで相撲を取ります。
「第一回野ゲーキ報告」を読んで、実際に野ゲーキを作ってくださった方がいらっしゃいます。
メールをいただきました。ご紹介させていただきます。


「ニヒル牛マガジンさま


こんにちは。先週の2コさんのブログに触発されて野ゲキってみました。
ちょっと長いですがエピソードも書きました。

「ゆめみるひとのこ」を読んでいつかわたしも、と思ってはいたのですが、砂場遊びといえばネコのうんこをキャッチしてしまうという苦い思い出と、「お砂場セットを用意しなくちゃ」というプレッシャーで腰が重かったのです。しかし2コさんの「スコップひとつあれば」の言葉とかわいい野ゲーキの写真を見て覚悟がきまりました。

「さぁ、まずはスコップだ」と思って近所の百均に行きました。しかし前日に閉店していたのです!
「ダメか」と思いましたが、砂集められればいいんだ、ヨーグルトの容器でいいじゃん、スコップすらなくていいじゃん、とあっさり問題は解決しました。

11月4日、昼、ちびっこのときよく行っていた公園にいってみました。近頃整備されたのか、一分のスキのない雰囲気の公園にうまれかわっていました。雑草が基本的に生えてないし、遊具は安全性高そうだし。

おまけにちびっこがネコのうんこをキャッチしないようにとの配慮か、砂場のまわりが柵で囲まれてしまっている。おまけに近くのベンチにリーマンが。。。やりづらい 、やりづらいなぁ


公園のスキのなさに憤然としながら、砂場じゃなくたっていいじゃん、土があればいいじゃん、と公園の植え込みの土で作ったのがこちらのチョコレートケーキ。
おいしかったです(嘘)

2コさん、クリエイティブな気分にさせてくれてありがとうございました(・∀・)ノ

  」

ペンネーム: ばぁばら様からいただきました・・・!
うおおおおうれしいよおおおお!!!

思いついた時はさ、ぜったいかわいいし楽しいけど、そう思うのわたしだけかも・・・って
思ったのよー野ゲーキ。

ああ、それを、こんな、素敵なやつを作って報告いただくなんて!!
マガジンやっててよかったっす、自分。おーんおんおんおん(男泣き)。
「つくれぽ」来た!!って心の中で叫んだんだもん。クックパッドだもん。

見てよこの落ち葉づかい。シャンソンを口ずさみたくなるってもんさよ。
なったところで歌えないけども。


ばぁばらさん、ほんとうにありがとうございました!



さらに、先日一緒に遊んだおともだちとも作ってみました、野ゲーキ。
先日完結した「お針子マメコのチクチクあいどる日記」の、mamecoと。
(最終回、見てくれた?エーツーの回。
http://nihirugyubook.but.jp/mameco4-1.html
 わたし感激して感激してどうしようもねーですよ。
 我々の写真が永遠に続くのは、まあ許してください。)

mameco・作。



土のザクザクしたテクスチャがパイみたいでおいしそう!
そして大胆にしてバッチリきまってるデザイン。さすが服作る人だなあー。
材料はその辺(公園)で集めました。


2コ・作。




家の近所で集めて持ってきたノブドウ・イシミカワ・ツタの実・名前知らない赤い草の実、
公園で集めた、アジサイの枯れた花、イヌタデかなんか、ヒイラギっぽい白い花、クローバーなど。
夢のノブドウ野ゲーキ(野だらけだ)なのだが、写真がうまく撮れなかった。
あと、mamecoのと比べると如実だが、わたしの野ゲーキには大胆さがない!!
ちまちまとまとまっているようで、ちまちまと散漫。わたしの性格そのものだ。ガーン!!

思わぬところで自分の欠陥を思い知る羽目になったが、
それは本人がうじうじしてるだけであって、
野ゲーキはみんなかわいいのだ。かわいいのだ。いいな?かわいいのだ。


あー春になったらさー、すごいのいっぱい作れるよー(うっとりぽわわん)
わたしね、オオイヌノフグリの花をいーーーーーーーーーっぱい集めて乗せたい!!


ヒロカの絵やらなんやらをいつも「青い」「青い」とバカにしている割には、
植物に関してわたしはヒロカ以上に「青」好きなんだと再確認しています。


「紫のバラの人」ばりに「青い野ゲーキの人」と呼ばれてもわたしは否定しないぜ!

・・・じゃあリバーサイドミステリーの続きを書かないといけない(誰に決められたわけでもなく)から、
今週はこの辺で・・・完結しても誰も知らなかったらさみしいから、たまに読んでね・・・


あ、来週は、円盤たぐちさんが描いてくれた「エーツー宇宙」の絵をお見せしたいと思います。
1ヶ月くらい開梱しなかった複合機を、やっと設置したから。


リバーサイドミステリー

 主人公は埼玉県の某大学に通うキタカン在住の男の子だ。バンドサークルに入っている。
ゆらゆら帝国の坂本慎太郎から全ての色気を抜いたような、オバサン顔、くるくる頭、
中肉中背、猫背。好きな音楽はフランクザッパと空手バカボンと毛皮のマリーズ。
「火だるまバニーちゃん」というバンドでギターを弾いている。
名前はそうだな、じゃあヨシオで。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヨシオには気になる女の子がいた。
たまに寄るスーパーマーケットでレジ打ちをしている女の子だ。
高校生くらいだろうか、とてもきれいな顔をしている。真っ白できめの細かい肌、大きな瞳、
長い睫毛、すっと通った鼻筋、ふっくらした血色のいいくちびる、芸術品のように繊細で、
ほんのり血の色が透けて見えるかたちのいい耳。
眉を茶色く少し太めに引いているのが清らかな印象を際立たせていた。

彼女は、レジを打ち始める時「いらっしゃいませ」と言いながら必ずにこっと笑ってくれる。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」と言う時もだ。
ヨシオはそのたびに体がふわっと浮くような気がした。
「周りのダサいやつらと同化するなんて死んでもいやだ、俺はお前らとは違うんだ」という根拠のない優越感と、「どうしてみんなと同じようにできないんだろう。考えられないんだろう。感じられないんだろう。俺はクズだ」という劣等感、自意識を軸にしたふたつの感情が押し合いへし合いする状態を、へらへら自堕落に過ごすことでなんとか折り合いをつけ、
時に卑屈に出てみたり、時に高圧的に議論めいたことをわめきちらしてみたりと、
焦点の定まらないヨシオに笑いかけてくれる女の子は稀だった。
たとえその笑顔が、彼女のレジに並ぶすべての人に等しく向けられるものだとわかっていても、ヨシオは高鳴る胸を押さえることはできなかったのだ。

スーパーマーケットで彼女を見つけてから、
ヨシオはその店に足繁く通うようになった。
彼女がレジに立っていれば色めき立ち、いなければ落胆した。
できるだけ彼女のレジに並ぶようにした。
無論、なるたけ自然な態度を装って。
空いていても、何回かに一回はわざと他のレジに並ぶようにした。
ある時は、わざとギターを背負ったまま行ってみた。
「バンドをやってるイケている俺」をアピールしたかったのだ。
「しかもビーズのカバーとかじゃないんだぜ」
ヨシオは心の中で彼女に語りかけた。
「オリジナル、しかもとびきりシニカルでクールなバンドなんだ」
しかし彼女はヨシオのギターには目もくれず、
いつものように折り目正しくにこっと笑ってお釣りを渡してくれるだけだった。

ヨシオは焦がれた。
彼女の接客が感じよければよいほど、同じように微笑まれている他の客の存在が疎ましく感じられ、彼女が内心自分をバカにしてるんじゃないかとか、閉店後に他の店員に「キモい客がいんだよねー」と愚痴っているかもしれないなどとも考えた。
しかしそんなことを考えてしまう自分の心のみにくさばかりがヨシオを突き刺し、
彼女は悪い妄想などどこ吹く風といったようにますますうつくしかった。
ヨシオは想像した。
彼女の真っ白な裸。まばゆいその肌が、自分の愛撫で桜色に染まっていく様子を。
それを目の当たりにできたら、どんなにか幸福だろう。
実際にそれが別の男によって成されているかもしれない事実については、
想像の扉をかたく閉ざした。

ヨシオが彼女について知っていることは、
彼女の胸についている名札の「はせがわ」という名字だけだった。

そうやってスーパーマーケットに通ううち、
ヨシオは妙なことに気づいた。
もうひとり、「はせがわ」を凝視している人物がいる。
それは女だ。
前髪を切り揃え、メガネをかけた、うさんくさい服装の女である。
ヨシオよりも幾分年上のようだった。
女は「はせがわ」がレジにいると、かなりの確立でそこに並んだ。
そして「はせがわ」を、女ならではなのか、不躾に、仔細に、眺めているのだった。
そのまなざしは、ヨシオと同質のねばっこさがあった。
そればかりではない。
女は、ヨシオが「はせがわ」の近辺にいると、決まって睨みつけてくるのだ。
しかしその「睨み」は、ヨシオをしっかと見据えているというふうではなく、
ヨシオを透かしてその向こうを睨んでいるような、どこかうつろで不気味なものだった。
ヨシオは女に、どこか同族嫌悪的な感情をいだいた。
高円寺あたりでバンドをやってそうな、貧乏くさいのに自己主張強げな見てくれなのだ。
俺はサブカル気取りってやつがいちばん嫌いなんだ、寒いんだ、
お前みたいな女が「はせがわ」をそんな目で見ることは許されない。
しかも俺を睨むだなんて。
・・・もしかしたら俺はこの女に、俺の心のみにくさを見抜かれているんだろうか。

女はヨシオ内で「うさ子」という呼び名になった。
「うさんくさい」の「うさ」である。
ヨシオは「うさ子」による理不尽な睨みに耐えつつ、
「はせがわ」の微笑みを得るために、なおもスーパーに通った。


そんなある日、「火だるまバニーちゃん」がライヴをすることになった。
今まで学園祭や大学の側の小さなライヴハウスでしかやったことがなかったのだが、
知り合いのつてで、都内のライヴハウスに出ることになった。

リハーサルのために早く会場入りしたヨシオは、
心臓が止まりそうになる。
ステージでリハーサルをやっていたのは、
あの「うさ子」だったからだ。
女2人のユニットらしく、なんだかヒドい歌詞のマリオネットの曲をかけて
よくわからない動きをしている。
それだけやると2人組は、歌いも何もせず「じゃあ本番よろしくお願いします」と言って
どこかに行ってしまった。
あっけに取られているヨシオのことは少しも視界に入らなかったようだ。

そうこうするうちに開演時間になった。
「うさ子」たちは後ろの方でヒソヒソささやきながらライヴアクトを見ていた。
どう見てもやっぱり「うさ子」だ。あいつも北関東からここへやってきたんだろうか。
「うさ子」たちの出番がやってきた。
ヨシオはどうしていいかわからなかった。
やつらはマリオネットの歌に合わせて虫取り網をふりまわし、ゴーグルをつけて平泳ぎをし、
曲の途中でルマンドを投げ、うどんを喰い、コメを炊き始めたからだ。
嵐のように「うさ子」たちが引っ込むと「火だるまバニーちゃん」の出番だった。

「はせがわ」を巡る「うさ子」との無言の対立、
なぜか東京で共演するという不可思議、
「うさ子」たちの交通事故のようなライヴアクト、という混乱にまみれたヨシオは、
ギターを弾くどころではなかったがなんとかその場を乗り切った。
他の出演者の都合でトリを飾る羽目になってしまった「火だるまバニーちゃん」の演奏は
ガタガタで、お客はぞろぞろ帰り始め、ぱらぱらいる客もバニーちゃんを見ているというよりは
ライヴの余韻の中で談笑しているというふうだった。
「うさ子」は・・・?
ヨシオは場内を伺ってみる。
薄暗いフロアの後方で、ヨシオを睨みつけている「うさ子」が、いた。
正確には、ヨシオの背後の壁を、であったが。

曲の途中で、「うさ子」とその連れの小さな女は退出した。

「うさ子」たちのユニットは、「エーツー」というらしかった。
ヨシオは帰宅するとさっそくネットで検索した。
「歌って踊ってお菓子も配れるハイパーアイドルユニット」・・・?
これか?
クリックすると目がちかちかするようなサイトが出てきた。
http://e-tsu-official.web.infoseek.co.jp/index.html
ああ、こいつだ。このいまいましいメガネ!
「2コ」って名前なのか。
ブログもやってるんだな、俺のこととか書いてないだろうな。
http://pink.ap.teacup.com/utsukememo/

瞬間、ヨシオの息の根は止まる寸前、心臓はコサックダンスのように跳ね上がる。

「こないだ書いた、スーパーにいる美人な子をめぐる話を妄想中。
ひとりだけ完全に想像で作った人物を出して、
あとは実在の人物だけでやる。
想像上の人物は主人公の男の子。
大学生、バンドサークル、もさくて自意識過剰。」

どういうことなんだ!?どう考えても俺じゃないか。
俺は「うさ子」に妄想されたお話の主人公だっていうのか?
だけど俺は今確かにここにいる。
そして「うさ子」はいつも俺を睨んでいたじゃないか・・・!?

ヨシオはハッとした。あの睨み、あれは俺を見ているというよりは中空を見ていた。
「うさ子」がヨシオを透かして中空を睨む時、それは「うさ子」が俺の存在を妄想している時なのか。想像の糸を懸命にたぐり寄せているからあんな目つきになるんだろうか。
ブログを読んだ限りでは、俺みたいのがいたら書かずにはおれない感じなのに、
ちっとも出てきやしない。「はせがわ」は出てくるのに。

ヨシオの存在はぐらぐら揺らぎ始めた。
暗く深い淵に水のように落ち込んでいく。

あぁ、はせがわ、たすけてよ。
おまえのうつくしい笑みで、やわらかな四肢で、
ぼくの存在を抱きしめてくれよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わはは、コイツあんまりだな。だいたいギタリストでヨシオって、野村のよっちゃんじゃねーか。
なんとなくつけたけどザ☆安易!あとブログ見たくらいで「これ俺だ」と思っちゃうのも存在揺らいじゃうのも出来すぎくんDAYONE〜。MAICCA言っとけMAICCA、安易な主人公の方がめちゃくちゃな話をすいすい進められる。

あとはサブキャラいいの揃えたいよな。
町で見かける独特な雰囲気の人を全員集合させちゃおう!

まずは、目撃頻度の最も高い、町田康をポッケに入れたまま100回洗濯しちゃった感じのおっさん。100回洗濯しちゃったから全然かっこよくはなくて、小さくて、変な髪型で、ぴちっとしたシャツをきちきちにズボンにインしてて、徒歩で、いつも不可解な笑みを浮かべていて、スーパーにいたり橋の上にいたりコンビニでエロ本(漫画のやつ)読んでたりコンビニから出てきたと思ったら住宅情報のフリーペーパーのマンション買っちゃう特集を小脇に抱えてて、あんたぜったいマンションなど買わんでしょうと思ったりする気になる存在だ。

「チバ」と名付けている。


次はチャリンコのおっさんだ。長渕とエーちゃん(矢沢)を足して3で割ったものをうっかり5年も陰干ししちゃったら何故かほんのり陣内孝則の臭いになっちゃったよ、てな顔だ。タオルを頭に巻き、ふつうのメガネのレンズの上にグラサンのレンズが被さってて、パカッと上げられるあれ、あれをかけてて、わたしが見かける時は100パーグラサンのレンズはパカッと上がってて、足に反射材の輪っかをつけてて、必然性のないところで自転車のベルをチリンチリンとやる。ちょっとアッパーなにおいのするおっさんだ。

「スダ」と名付けている。


それからマスクのお兄ちゃん。駅前の駐輪場の息子らしく、自転車を並べ替えたり、出しづらい時に手伝ったりしてくれる。わたしは大学生の時にここに置いてたんだけど、いわゆる土間が置き場で、そこから上がるこたつの部屋んとこに太ったおばあちゃんがいて、たまに風呂上がりのオッパイ丸出しのズロース姿でお金の勘定してくれたりするなんとも弛んだ雰囲気のところだった。ある日おばあちゃんが言った。「あのお兄ちゃんね、口きけないからそっとしといてやってね。耳は聞こえてるんだけどね。」

お兄ちゃんと言っても30後半とか、実はもっと歳かもしれない。マスク度が高いがヒゲ面の時もある。一年中長袖、だいたいは黒いジャンパーを着て、駅の回りを歩いている。わたしはここの駐輪場から、滞納したままずらかったので、お兄ちゃんを見るといつもびくびくする。

「早乙女」とする。


それからドレッドのあんちゃん。
スズキジュンゾさんに激似なんだけど、知らんか。
東京サイケデリック音楽シーン?では有名な方なのですがー。
ドレッド、ヒゲ、やさしめな顔。
このあんちゃんは、橋近辺でのみ見かける。
自転車で信号を渡ろうとしているのかと思いきや、渡らず、
自転車にまたがったままそこにとどまって長いことじっとしているのを何度もみた。
誰かを待っているのだろうか。
たまにうなるような怒鳴るような声を発している時があるので、少しこわい。

「降男(ふりお)」とする。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「うさ子」のことは忘れよう。くだらない。
ただの狂人かもしれない。
益体もないことばかり考えてるから俺の神経はすたれてるんだ。
そう、曲をつくろう。「はせがわ」の曲を。バニーちゃんの代表曲にするんだ。

そうしてできた曲は次のようなものだった。


「長谷寺」

ベイビーはせがわベイビーはせがわ
ベイビーはせがわベイビー!×2
抱きしめたい、うつくしい、
ニガヨモギの葉っぱにくるまれたお前のからだ

ベイビーはせがわベイビーはせがわ
ベイビーはせがわベイビー!×2
夢に見るんだ、うつくしい、
シーラカンスを抱えたお前の横顔

ベイビーはせがわベイビーはせがわ
ベイビーはせがわベイビー!×2
奪いたい、うつくしい、
分度器を髪に飾ったお前のくちびる

ベイビーはせがわベイビーはせがわ
ベイビーはせがわベイビー!×3

は、せ、がわ!
は、せ、がわ!
は、せ、がわ!
は、せ、でら!


何かとんちんかんになったのは、ベースの権田原が手を加えたからだ。
しかしヨシオは満足だった。サークルの時間にはこの曲を思いきりかき鳴らし、
ベイビー!と雄叫びをあげまくった。
ボーカルのモリタは、「はせがわって何」と言いながらもキテレツな動きまでつけて熱唱した。
メンバー全員のテンションが上がりすぎた結果巻き起こったゲラゲラ笑いの中に、
不穏な感情はつかのま霧散していった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いつしかヨシオは、「はせがわ」に打ってもらった買い物のレシートを捨てずに取っておくようになっていた。ビールだとかポテチだとかのささやかな買い物の品名の下に印字された、「レジ責:ハセガワ」という文字を何度も見返しては、ニコッと笑ってレシートを渡してくれる時のことを思い、悶々とするのだった。


ある日、ヨシオはレジに並んでいた。今日は別のところに並んでボカし入れとこう、とごっついおばちゃんのところに並びつつ、目でははせがわを探した。休止中のレジにはせがわが来て、カチャカチャやっている。
その横顔をそっと盗み見る。白に近い肌色と、ばら色と、上品なうす茶色。視界が、胸の中が、うっとりと甘くなる。その時。
「お待ちのお客様、よろしければこちらでどうぞ」
ヨシオの目をまっすぐ見て、くちもとに完璧な笑みを浮かべ、はせがわが言った。
ヨシオの胸は甘さを飛び越えて破裂しそうだった。ずっと見ていたことを見透かされたような気がして、かあっとからだが熱くなり、手のひらがじっとりと汗ばんだ。
「あっ、…あ、はい、どうも」
へどもどしながらはせがわのレジに並び直した。
はせがわの対応はいつもと変わらなかったが、帰りみち、ヨシオの足どりは弾んでいた。7はせがわが俺を見て、呼んでくれた。

奇妙なことに気付いたのは、その日の買い物のレシートを見返している時だった。

レシートの下部、「レジ責:ハセガワ」よりもっと下に、スーパーのレシートにしては不穏当な、何かどきりとするような記載があった。
「行方不明者が増えています。防災放送を注意して聞いて下さい。ご協力をお願いします。加須警察」

急いで前回までのレシートを確認する。やはりない。つい最近記載されるようになったものらしい。「防災放送」というのは、町内の各地に設置されたスピーカーから流れる、「毎日17時に小学生の帰宅を促す放送」や、「交通安全週間のお知らせ」、また「光化学スモッグ発生のお知らせ」などのことである。だだっぴろい田んぼの中、近くのスピーカーと遠くのスピーカーの音がズレて、ぼわぼわとした響きを作り、独特の、間延びした不穏さのようなもので町を覆うのだった。
時々、それらに混じって、「行方不明者のお知らせ」が放送された。「65歳、男性、身長167cmやせ型、紺色のジャンパーと作業ズボンを着用、○月×日18時くらいから行方がわからなくなっています」といった具合だ。
ヨシオは、たまにそういう放送があることを知ってはいたものの、特に気をつけて聞いたことはなかった。

「行方不明」。
こんな田舎で、田んぼに囲まれた中で、行方が知れなくなる者が、いるんだな。
近しい者の目から消えても、その他の誰の目から消えても、自分が自分から消えるには、意識不明になってしまうか、めちゃくちゃに狂ってしまうか、死んでしまうしかない。
放送で知らされる「行方不明者」はその時、「消えて」いるんだろうか、きっと多くは消えてないんだろう、何をおもっているんだろう、何かをおもっているんだろうか、行方不明者とは何か。

ヨシオの意識に、鉛のような、重たくてもやもやしたものがたちこめた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
皆さんの町には防災放送ありますか?
多分、東京23区にはないよね。多摩とか行ったらあるかね?

わたしは行方不明者のお知らせが流れると、めちゃくちゃ耳を澄まします。どんなやつが消えたんだ、どこで何をしてるんだ、と思うと、とてもザワザワした気持ちになる。まあそれでこの話を思いついたわけなんだけれども。

いちばんギョッとした行方不明者は、「38歳女性、身長130cm、小太り」だ。事件の匂いがした。不謹慎を承知で言うと、夢野久作の『いなか、の、じけん』的な匂いだ。

この防災放送は、運がいいと「○月×日にお知らせした行方不明者は無事発見されました」という報告も聞くことができる。しかしこれは川を渡った向こうの町の話で、わたしが住む茨城県古河市の外れには聞こえてこず、川向こうに出かけている時にしか防災放送を聞けないので、行方不明の知らせと発見の知らせをセットで聞いたことはない。だから、行方不明者がその後ちゃんと見つかったかどうかということは知らない。だから、わたしの意識の中で、行方不明者は宙ぶらりんのまま、いなくなったままとどまる。防災放送を聞かなかったら存在を知らないままだったであろう誰かについて、そのひとがいなくなったことで初めて意識する。しかしそこに提示されている情報は、年齢と性別と身長とからだつきと、いなくなった時に着ていた服という、ごく断片的なものでしかなく、その人が意識にのぼった、というだけで、明瞭な像を結ぶことはない。
防災放送によってわたしの中でONになったその人の存在はしかし、限りなく影に近いものであり、その影をかたちづくる生身のその人はいまや行方知れず、つまり不在である。その不在は、防災放送で「行方不明者」と宣言されることで決定的なものとなる。しかし多くの場合、本人は当たり前に「在」なのだろう。行方不明者になっている時もとぎれることなく。
防災放送は、在と不在にねじれを起こすスイッチを押す。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あーつかれた。2コですけど。
何の創作メモもなくあらすじも考えず技術もないのにメタ構造のお話描き始めちゃったよ。
しかもぱぱっと終わるかと思ったらすごい長くなる!!!

でもこれ来週までひっぱりたくないから、イレギュラーに、完成までこっそり書き足していきます。編集長、勝手!!

早く「防災放送の、行方不明者のお知らせ」までいきたいのに。

おたのしみに?っていうか自分でも書いててよくわかんなくなってきた。
まー「朦朧見聞録」だし、もーろーとやってみようと思います。


ところで、野ゲーキの「つくれぽ」をメールでくださった方がいらっしゃいまして、
お返事したんですが戻ってきてしまうのです。
なのでこの場でお礼を申し上げます。
すっごくすっごく嬉しかったです!!
そしてハイセンスで素敵でした。
作る人によって全く違うものになる野ゲーキ、いろんな人と作りたい、
いろんな人のを見たい、って思いました。
差し支えなければ誌上で紹介させていただきたいです。
コメント欄でも、メールでも、いただけませんでしょうか?
ええ、近所の公園で「チョコレートケーキ」を作られた方です。



インディー寺

新しい表紙にふさわしい記事を、白江姉妹を出し抜いて書きたい…!
わたしならできる、根拠は全くないけど、アイドルだしっ。うーんうーんうーん。
すみませんが今週はインディーズ寺についてです。

…なんなのこの執筆陣。誰もあの素晴らしい表紙の空気感にフィットする記事なんか書けやしない。インディーズ寺ってなんだよ。無力無善寺かよ!
針葉樹のキリッとした香り立ち込める森の中、小枝を踏みながら物思いにふける11月はどこ行った!?編集長がいちばん困った子だよ。って言わないで。

東京インディーズシーンで「寺」と言えばここ!
初めて出演が決まった時、本物の寺でライヴするのだ、住職怒らせたらどうしようと思ってビビっていたヒヨコ時代!
http://homepage2.nifty.com/muzenji/
まあいいや無善寺のことじゃないのよ今回ご紹介するインディーズ寺略してインディー寺(じ)はよ。

前回の記事用に野ゲーキを作った日のことでした。
さあ次はファミレスで展示用の本の原稿書くど、と気合いを入れ直してチャリンコを走らせていたのです。その道すがら、週刊マガジンのライターらしくネタセンサーがぴこーん!ぴこーん!と反応いたしましたのです。
一日に2コもネタ取れるなんて、だてに2コって名前じゃねえなわたしも。
そこは高校時代の通学路。通るたびに、なんか怪しいな怪しいな怪しいな怪しいなと気になってはいたんだけど、自転車を止めてよくよく見る探求心はなかった曇り硝子の10代でしたの。

しかし今や週イチで夢見がちなことや奇怪なことや不可思議な人物について書かねばならぬ身、どんなとこからでもネタをひり出さねばならぬ常時ケツに着火状態。

わだすは10年来気になっていた怪し物件の前で初めて自転車を止め、
カメラを構えたのでありました。

ヘイヨー!これだぜメーン!

道から、キュウリの花ごしにちょっとリリカルに撮ってみた。
これじゃわかんないよねー。

もっと寄ってみる前に、周囲の環境を目に入れておきましょう。


ヘイヨー!ヒビゴー!MCオマエ!(ヒップホップ風に意味はないです)


ナニこのひとがた。アンダー・ザ・藤棚。こえー。こっうぇー。
ちなみに高校時代はこの後ろの建物に人の気配があった。


裏側に回ると、このうちの孫が美術の時間に描いたのであろう油絵が至って無造作に
飾られている?投げ出されている?もしかしたら通りすがりの高校生が持ち帰るのめんどさに
ここに置いてったのかもしれない。

しかしわたしは、これから紹介するのがインディー寺だから、
この絵の右奥の物体が五輪塔に見えてしまっている。
http://www.google.com/images?hl=ja&lr=lang_ja&oe=UTF-8&q=%E4%BA%94%E8%BC%AA%E5%A1%94&num=50&um=1&ie=UTF-8&source=og&sa=N&tab=wi
ぶ、仏画!?!?いいえ、「気分の出しすぎ」だ。

さあ。この怪し物件が「寺」だということを証明していこうじゃないか。

チェゲラ!DJオマエ!

ブルーシートの向こうに地蔵殿!!


ディスっていこうぜメーン!(意味はないしよく知らないです)


ブルーシートの手前はこんなガラクタ置き場。椅子がアクロバットを。


DAYONE〜。(ヒップホップ出尽くしたのでやめます)

ほらな?寺なんだよ。銅鑼が下がってるでしょうが。銅鑼の下に線香刺す器もある!!
手前左に石灯籠もみえますね。

でもこれ、公式な「寺」というわけではないよね。
おそらく人んちだよね。
寺としてはインディーズだよね。

だって


変な胸像置いてるし!全体的にガラクタまみれだし!
流木置いてるし!でも石が先祖代々の墓っぽい・・・!?積んである石が本気っぽい・・・!?
(この写真は地蔵殿を別の角度から見たところ)

胸像の上の不揃いな絵馬?たち?がスーパー気になる!
その上の「彩?思」?っていう文字ももももののののすんんんげげげ気になる!
たぶんこれここの主が書いたね。

「じじいの秘密基地」という記事もそうだったけど、たぶんこれも農家の土地持ちじじいが趣味でやってしまったパターンだろう。
http://e-tsu-2co.jugem.jp/?eid=18 (じじいの秘密基地についてはこちら参照)

高校の頃はこんなに寺らしくなかったと思うんだ。
「なんとなく宗教的モチーフが置いてある怪しげな廃屋のようなもの」
だっただけで。よく見てなかったのかもしれないけれど、きっとこの10年くらいの間にいろいろ配置変えたり物を持ち込んだりして作り上げたのだろうと思う。

どっかのじいさんが思いつきで作り上げてしまったとんちんかんなパラダイスって、
規模の大小はあれどよくありますよね。
あれは何故じいさんなのか。ばあさんではないんだよなあ。「俺の城」感なのかなあ。
まー男はこう女はこうって話はつまらないのでやめとくけど。
一つ言えるのは、わたしはそういう、じじいが作り上げた「俺の城」をずけずけ眺めるのが好きなんだろな、ってことです。

じじいの秘密基地にも流木があった。なぜじじいの独自ランド(もう、じいスポットでいい?だめ?乙女な読者が離れるかしら)って、流木置いてるんだろ?
あと鷲の剥製だか木彫りの置物だかもあったわ。あれもじじい感満点だよな。
秘密基地は、主の姿を見てるから確実にじじいだが、ここの主は見たことない。
それでも絶対じじいだろうな、と肌で感じるのだ。
そしてじいスポットを作るじじいに、「いいおじいちゃん」はいないんじゃないかとも思う。
それも含めて、じいスポットをじろじろずけずけオドオド見ることはスリルなのだ。



しかしこのインディー寺、よく見たら結構ウェルカムモードですよね。
道路から何の柵も門もなく、こんなふうに小径、否、参道がこさえてある。
お参りしてもいいってことなんじゃ、ないのかなあ。


後日、本堂の脇からも入れるようになってることを発見したので、
「ナチュラルに寺だと思い込んでお参りに来た人」になって、おそるおそる入ってみました。



花が・・・っ!新しい!!ちゃんと手入れをしてるんだ。



そして本堂の中には、見えますか?シルエットが。

うわああああああ!ブツが!仏がおる!もう怖い。無理!てか人住んでないよね!?ひいっ


ぜえぜえぜえぜえ。じじいの秘密基地の写真撮った時より100倍こわい・・・

しかしあのインディー寺が参拝客を待っているのだとしたら、
日課にする勢いでお参りしたいです。
いつかあの絵馬を読んでやるんだ。見仏してやるんだ。
ただの不法侵入だったらどうしよう。

スリリングな物件が近所にあると翻弄されますね。


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