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  • 2017.06.09 Friday
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今回はむし展の告知です

夏らしい展示に参加させていただきますよ。
「むし展」やーーーーーーっっ!!!

 

素晴らしいチラシでしょう!
クリックすると大きな画像にリンクします。
切って折って冊子型にできるのですよ。
そして「むしクイズ」が書いてあって、答えて押すスタンプラリーの台紙になるのですよ。
ニヒル牛・ニヒル牛2・ロック食堂などでもらってね。


以下はわたしが最近見かけたむしたち。



たぶんオオミズアオ。蛾の一種。妖精っぽい美しさ。しかしこの個体はなぜか翅がボロボロだった。


 
ウラミスジシジミ? わたしの携帯カメラはへぼいんです。
写ってないけど後翅に突起があって(尾状突起というらしい)、かわいらしいチョウでした。


 
オオコフキコガネ・・・かなあ。触覚の開き方がぱかーっとしていて可愛い。



ぴかぴかのカブトムシ!♂!!うっかり肌に這わせるとけっこう痛い、強い爪。
砂糖水にまっしぐら。しばらくほれぼれと眺めて放しました。

はい。素敵なむしたちの写真を楽しんでいただけましたか?
だけどね、「むし展」、わたし「ラフレシア担当」だから。

http://www.google.com/images?hl=ja&lr=lang_ja&oe=UTF-8&q=%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%82%A2&num=50&um=1&ie=UTF-8&source=og&sa=N&tab=wi

つまり「ハエ」担当だから。

ではここでエーツーの大・名曲「ラフレシア哀歌」の歌詞を掲載いたします。
これでラフレシアのことほぼ丸わかり!
ライヴ動画があればよかったのだがないので、
「北関東代表」をお買い上げいただき観てもらうとして、今は歌詞を読んでください。

「ラフレシア哀歌」 作詞・作曲 2コ 

でかい!くさい!赤い!寄生!
でかい!くさい!赤い!寄生!

でかい!(直径1m !)
くさい!(アンモニア臭!)
赤い!(白い斑点!)
寄生!(ヒレブドウ!)

ラ・フ・レ・シ・ア
ラ・フ・レ・シ・ア       ※



白い水玉誰のため?
ハエを騙して受粉する
熱帯雨林の仇花よ

ラ・フ・レ・シ・ア
ラ・フ・レ・シ・ア



つぼみが既にキャベツ大
花が咲く時音がする
咲いたそばからすぐ萎れ

ラ・フ・レ・シ・ア
ラ・フ・レ・シ・ア


ラフレシアの花束 ください
ラフレシアの花束 花言葉
「叶わぬ恋」なの
できないことなの
茎がない 束ねられないの
かなしい花なの



雨の森に蕾ごろり横たえ
月の森にデロリひらく・・・


曲中、ラフレシアをかたどった頭巾が登場したり、
ハエをかたどった飴が投げつけられたり、
曲の最後に猿芝居が挿入されていたり、
仕掛けに富んだ曲ですが、それらも含めて本人たちは「プログレ」だと思っています。
長くて凝ってりゃプログレ。
それくらいのきめの粗い音楽観で活動しております。
わたしは人間椅子のつもりでこの曲をつくった。



ざっっっっっっっっっっっくりしたとこでは合ってると思うんですけど。

しかし「踊る一寸法師」は江戸川乱歩だが、
「ラフレシア哀歌」は今森光彦「世界昆虫記」のラフレシアのページに書いてあることを90%くらいそのまま歌い込んだものである。

http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%98%86%E8%99%AB%E8%A8%98-%E4%BB%8A%E6%A3%AE-%E5%85%89%E5%BD%A6/dp/4834001792

高校生の頃だったか、この写真集を手にしたわたしは興奮した。
虫、すげえ!
ラフレシア、すげえ!!!
そして大学生の時、相方リーベにこの写真集を見せ、ふたりで興奮したに違いない。
ラフレシア、すげえ!!!
そしてこの興奮をかたちにしたいがために、書いてあったことをそのまま詞にしてしまったんだろう。

さらに、われわれは興奮のあまり「ラフレシアランド」の建設まで妄想したことを思い出した。
リーベの卒業した高校は裏手に畑があり、堆肥が置いてある関係で
ハエが大変多く、各教室に「ハエ取りリボン」が設置してあった。
そう、あれっすよ、「六月の蝿取り紙」のあれ、あの捩じったべとべとする紙さ。

「あれさー、裏庭にラフレシア咲いてたらハエそっち行くんじゃない?」
「あー、ハエ取り紙いらないね」
「いっそ大規模にハウス栽培とかやらんかね」
「ハエがいそうなとこでやったらいんじゃね?夢の島とか?」

ものすごく自分たちの事情に引き寄せた考えで、
いつしかそれは「ラフレシアランド妄想」として膨れ上がっていった。
ラフレシアが咲き乱れる、華麗にして臭い、ハエ飛び交うテーマパーク。

誰か愉快な大金持ちが作ってくれないだろうか。
園内開花観察ナイトツアーやりたいよ。

そういう妄想があったことを思い出しつつ、
むし展ラフレシア担当をしっかり努めたいと思います。
主にこの頭巾を展示することになるであろうので、こぞってかぶって写真を送ってください。
マガジン誌上でラフレシアコンテストでもやりましょう。


暗黒小学生

 はい。じゃまず、これ見ていただきましょうか。




これ?これはなー、あれよ、会社の作業場に設置してある温度計ですよ。
眼球をほじくり出して見てくれたまい、
「40」
のとこに目盛りないっすか?
それすなわち、摂氏40度ってことお?やだあ。うっそお。
ぎゃお!インドかここは。カレーか!?またカレー?もういいよカレー。

インドで過酷な肉体労働に励んでいるため、わたしにはサマーをエンジョイするファイトがないよ。

あ、温度計左下に、くちゃくちゃしたものがひっついてるのは、
「より高温の記録が出るようにあったまった壁にセロハンテープで貼り付けた」が正解です。
そして皆で覗き込んでは、
「38!やべえ38!!」「あっ!39いってる!!」「ぎょえー!40!!40出た!!」
と叫んでいるのである。ぬるいインドの実態である。


さてえ。

そういったわけで精神的にも肉体的にも朦朧としているので、
「朦朧見聞録」的にはもってこいの状態です。

今回は朦朧力でタイムトリップして、小学校時代の恐ろしい記憶について書いてみます。
あっねえねえ、「朦朧力」ってよくない?「老人力」「鈍感力」ときて「朦朧力」。
ぼんやりした国、ニッポン!!

何度でも言いますが、わたし「エーツー」というアイドルユニットをやっています。
アイドルですので、たまにコンサートライヴを行います。
客席を恐怖のどん底にたたき落とすべく、
コンサートに際してどんな菓子を投げつけようかとか、曲中に何を喰うかとか、
あの曲のあそこでコメ炊くかとか、そういった話し合いが事前に行われます。
その話し合いは、主に飲み屋かサイゼリアで執り行われ、
百発百中で全然関係のない話を鬼ほどする羽目になります。
そしてその「全然関係のない話」は、時としてものすごい発見であったり、
エーツーとは何なのかというアイデンティティを進化させるものだったり、
はらわたがよじれるほどおかしく、曲のテーマになったりするのです。

そんな「全然関係ない話」から蘇ってきた、「暗黒の小学生記憶」。

なぜそういう議題になったのかは定かではない。
気がつくとわたしはノートに三角形を書き、
「クラスを構成するヒエラルキー」をピラミッド型に記入していたのである。
相方リーベは首をひねって、
「なんだっけな、肉食層にもう一人いたじゃん、そんなにはがつがつしてなくてさ」
などと、小学生の時のクラスの女子の名前を思い出そうとしている。

暗い。
わたしたち、暗い。
そしていじましい。

しかしこのピラミッドはどのクラスにも存在したはずである。
小学校においてこのピラミッドはよりくっきりと層をなしていたはずである。
なぜならば、小学生の「イケてる・イケてない」は、だいたい「明るいか暗いか」で決まるからだ。より明るく元気な者がピラミッドの頂点に立ち、暗くてモソモソした者が最下層に這いつくばる。

男子と女子で微妙にその内容が変わると思う。わたしたちは女子について考えていた。

「肉食層」・・・ませていて派手で元気な子。家が金持ちだったりもする。
        中学校でバレー部やバスケ部に入る。
「草食層」・・・そんなにませてはいないが小ぎれいな感じ。たくさんいる。
        中学校でバトミントン部やテニス部に入る。
「微生物層」・・・不潔だったり暗かったり家が貧乏だったりする。
        中学校で美術部やパソコン部に入る。あれば手芸部にも入る。または帰宅部。

大まかに言うとこんな感じ。無論例外とグラデーションはある。
男子だと「おもしろいやつ」が上層部に入るのかなー。


小学4年生の2学期に、わたしのクラスにリーベさんが転入してきた。

わたしは生来声が低く、学校ではあんまり喋らず、体育が苦手、勉強の成績がよかったこともあり、つまり「暗い人」として認識されており、ピラミッドでいえば下の方の者であった。
しかしリーベさんは、転入して来た日の自己紹介をえらくハキハキとやってのけ、
(大概の転入生は半泣きだったりする。あんたハキハキしてたよな、と言ったら、すごい練習したらしい)
運動会の応援団や鼓笛隊や学級代表に積極的に立候補し、
朗読や劇が得意、なわとび大会で優勝、等のかがやかしい記録を樹立しておった。

こう見ると、リーベさんはけっこうクラスの上層部に喰いこんでいたのではないかと思われる。
しかし彼女はあまりにも「ぽやん」としており、独自のコードで動いているため、
このクラスのヒエラルキーからは逸脱していたと言ってよい。
今思えば、やつは全然周りが見えていなかった。
誰がクラスの権力者で、誰が嫌われ者で、誰と誰にどのような相関関係があるか、
そのようなことには一切無頓着だった。だからわたしとも仲良くなれたのである。
ちなみに、わたしたちが仲良くなったきっかけは「お絵かき」だった。
(リーベさんは、小学4年生にしては相当完成した画風をものにしていた。
しかしそれは今に至るまで全く変わっていない。上達していない。)

まあそれで、この会議においてわたしたちは自らを「粘菌層」と決定し、
勝手にヒエラルキーから逸脱していたことにした。
だってエーツーだし。

しかしわたしは、クラスヒエラルキーの話をしたいわけではないのだ。
このようないじましい考察を続けるうち、 とんでもなく暗い記憶が、
深く濁った沼の底からぼこりと泡が浮かび上がるかのごとく、
よみがえってきてしまった、この記憶についてこそ書きたいんです。

●暗黒記憶 リーベ編 「まきもの」

※イニシャルトークだと小学生の気分が出ないので、
仮名のフルネームでいきます。

2コ: しかしさー。あいつらのあの感じはなんなのかねえ?
   「うめしばせいこ」と「ごんばしまつこ」(当時のクラスメイト)。あの感じ。
リーベ: あの感じでもう一個「層」作ってもいいね。草食層の一部門なんだけど、
     ちょっと特殊なんだよなー。
2: あのー、バトミントン部に入る感じ。ふたりで持ち物揃えたりさー。
リ: 気持ち悪い仲良し感でしょ?女の子っぽいい。
2: そーそー。なんか排他的な・・・キティじゃなくてキキララが好きな感じ!
リ: 派手ってわけでもなく、地味ってわけでもなく・・・
2: 派手な子は面倒見よかったりさ、クラスまとめたりさ、アクションがあるじゃない。
リ: ないねー、そうゆうの。うめしばせいこ・ごんばしまつこ層には。
2: ふたりで決めた仲良し決まりの中だけで動く感じ?でも微生物層じゃないんだよなー。
リ: こぎれいにしてるからかね。
2: そうねー。けどあいつら性格暗かったよな。なんかさ。必死じゃない陰湿さみたいな。
リ: ・・・あーっっっ!!!!すごいこと思い出した!「まきもの」!!!
2: なになになにソレ!?
リ: 転校したての頃だったと思うんだけど、うめしばせいことごんばしまつこに、
   「アヤちゃんも『まきもの』の仲間に入れてあげるー」って言われて。
(リーベさんの本名は「アヤ」という)
2: まきもの!?なんじゃそれ!なななななななんかめちゃくちゃ不穏なにおいがする・・・
リ: でね、わたしはそん時何にも考えずに「うん」って言ったの。そしたらね!
   (ものすごく嫌そうな顔)
2: ・・・あー聞くのこええ!
リ: なんか、巻いた紙が回ってきて、そいでね、見たらね、
   やつらの「嫌いな子」の名前が書いてあったのーーーー!!!
2: うげええええええええええええ!!!!
リ: ひゃべにゅん子ちゃんとか、股べばみちゃんとか・・・
2: わああああああ!!!微生物層ってやつか!!
   しかしさ、それって微妙にやつらと同系統の・・・
リ: そうなの!同じにおいがする子たちなのに微妙に層が違うみたいな・・・・
   同じキキララ好きなんだけど小ぎれいか不潔か、
   ふにゃっとしてるかしてないかの差だけつーか・・・
2: ぎえーーーー!気持ち悪い!!
リ: うんそれでね、気持ち悪くて、ひえーっとなってすぐ捨てた!!
2: ダメージでけえな。あんた悪口とか嫌いだったもんねえ。
リ: うん。ありゃー怖かったね。ずっと忘れてたよこの記憶。
2: まきもの・・・あー死にそう。気持ち悪くて。あいつらのあの感じ。うげー。
リ: まー今はわたしもすっかり悪口の人だけどね。なんであの頃あんなだったんだろ。
2: ほぼ聖人だったよな。

「まきもの」・・・分かりますか?
この、「授業中に回す紙ペラのラフなメモ」とかではなく、
きっと几帳面にきれいに巻かれた紙であることの意味。
「仲間」でないと回覧の権利を持てない、閉じた世界。
エーツーであるわたしたちには痛いほどよくわかる気持ち悪さ、
「うめしばせいこ」「ごんばしまつこ」なのである。
そしてそのデスノートに名前を書かれてしまう「ひゃべにゅん子」「股べばみ」の
どこが彼女らを苛つかせるのかについても、息苦しいほどわかってしまうのである。
ああ、「まきもの」。
小学生ならではの呪われたアイテムである。眉間に矢を射られたみたいにまっつぐに苦しい。


●暗黒記憶
 2コ編 「ヨウシュヤマゴボウ」

これも4年生くらいの時だったのだろうか。
もしかしたらリーベさんが転入してくる前だったのかもしれない。
しかしこの記憶に登場する「ヨウシュヤマゴボウ」の実が熟すのは秋だから、
リーベさんと仲良くなりつつも別の子と遊んでいる時期のことだったのかもしれない。
わたしは、別の子すなわち「タケちゃん」という女の子と親しく、毎日のように遊んでいた。
その頃チャゲ&アスカの「SAY YES」が流行っていて、
タケちゃんに借りたCDでチャゲアスにハマり、
なぜかSAY YESとは全然かけ離れている超初期のいなたさ全開のチャゲアスに執着したり
(エーツーライヴの入場曲は昔のチャゲアスのヒドい曲「マリオネット」です)、
彼女のおじいちゃん秘蔵のエロ本を盗み読みして歪んだ性の知識を学んだり、
「さくらっ娘クラブ」を観てSMAPのメンバーの顔と名前を一致させたりしていた。

タケちゃんとの思い出は、なぜか子供らしくない暗さといたたまれなさに満ちている。
きっとわたしもタケちゃんも恐ろしく暗い心象を抱えていたのだ。
タケちゃんのことを思い出すとなぜか、彼女の家の裏庭の、
冬の夕方、霜柱が融けた後で乾いてべろべろに持ち上がっている土の表面の様子が浮かんでくる。
一体どういう印象なのか。

中でもずば抜けて暗く、どこかサイケデリックですらある、とっておきの思い出。

ヨウシュヤマゴボウという植物をご存知ですか?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%82%B4%E3%83%9C%E3%82%A6

理科のpHの実験でよく使われていた気がするが、
どうやら毒草なので最近は紫キャベツとかが主流なのかなー。


かっこいい実だよなー。しかも毒草!!かっこいい・・・(溜息)

これを絞ると、すんげえマゼンダの色水ができんですよ!!
おそらく、野遊びの好きなこどもの間では割と常識だったと思うのだが、
タケちゃんとわたしのヨウシュヤマゴボウ遊びはとてつもなく暗かった!
そしてわけがわからなかった!

タケちゃんとわたしはその頃、近所にできた高級住宅街を遊び場としていました。
まだ住居者のいない家に忍び込んで空の浴槽に入ってみたり階段を登ってみたりのスリリングなひととき、そしてまだ家が建っていない空いた敷地でのおままごと、じゃんけん遊びなど。

その空き地に暗黒が舞い降りたのじゃよ。

空き地は、コンクリートで固めてあり、一段高い囲みがあった。
住宅地のそばの藪には、ヨウシュヤマゴボウがわさわさ自生していて、
折りしも実りの時期を迎えており、黒紫のぴかぴかの実がざんざんとぶらさがっていた。
そしてわたしとタケちゃんは、なぜそれを始めたのだろう、まったくおぼえていないのだが、
コンクリートの囲みを、偏執狂的な情熱をもって、ヨウシュヤマゴボウの汁で塗りつぶしたのだ。

左がタケちゃん、右がわたしだ。手に持ったヨウシュヤマゴボウの房から実をもぎとり、
直接コンクリートになすりつけている。
タケちゃんはいつもスカートをはいていて、しゃがみこむとパンツが見えた。
どことなくおしっこくさかったことも同時に思い出した。

・・・伝わりづらくて申し訳ない、しかし、わたしたちは、
日が沈むまで、コンクリートをヨウシュヤマゴボウの汁で塗りたくったのだ。
何をしゃべるでもなく、黙々とそれをやっていたように思う。無の境地。
そして、囲みの一辺すべてがベタいちめんあの黒紫色になったのをほれぼれと眺め、
ものすごい達成感を味わうと同時に大変な罪悪感にさいなまれたのだ。

わけがわからない、そしてたとえようも無く暗い。

これをリーベさんに話すと、彼女は顔がひきつるほど爆笑し、
「く、く、暗い・・・・!!よ、ヨウシュヤマゴボウ・・・!!」と乱れた呼吸のあいまに繰り返した。
自分でも暗いと思う。サイケデリックなまでに暗い。
なんだったんだろう、わたしの小学4年生。

さらに残念なことに、これには続編がある。

ヨウシュヤマゴボウで塗りたくったコンクリートを次の日どきどきしながら見に行くと、
かなり色あせていた。数日経つと、塗りたてはあんなにあかぐろかったのがなぜか緑っぽくなり、
やがて薄れきって元の色と見分けがつかなくなった。

わたしたちは落胆したが、なぜか第2弾を遂行してしまった。
高級住宅地の別の一角には、ひなげしの畑があった。
ひなげしが満開だったのだからヨウシュヤマゴボウの秋が過ぎ、
冬を越し、春が来て、つまり5年生になってから息の長い意味不明をやらかしたのかもしれないが、
とにかくわれわれはひなげしの花びらをすり潰してコンクリートを塗り始めたのである。
より紅いひなげしを選び、親の仇のようにコンクリートに磨り込む。
記憶が薄暗いので、やはりこれも日が暮れるまでやっていたのだろう。
しかしインクを採るほど色の濃いヨウシュヤマゴボウと違い、
真っ赤なひなげしは刷り込むとたよりない紫に変色し、
日に晒されるとすぐ薄い緑になって消えてしまう。

そしてわたしはリーベさんとより親しくなり、
なんだか暗い心象を分かち合っていたタケちゃんとは疎遠になってしまった。

リーベさんがあまりに笑うものだからノリノリで暗黒さをしゃべっていたが、
あれはほんとのほんとにあったことなんだろうか。
あまりに不可思議な記憶すぎてうたがわしい。
橋の下のヤンキーの落書きのように、すり潰した実の黒紫がずっと残るならば、
高級住宅街のあのコンクリートの囲みを見にゆけばわかることなのだがそれも叶わない。

とにかく、あの暗黒記憶は、
「そりゃエーツーとか始めちゃうわ、心はねじまがるわ、暗いわ」
と納得させられるようなものだったから、思い出してよかった。


これを読んでくださってる方は、どのような意味不明の暗黒記憶をお持ちですか?
なんかおもしろいのあったらコメント欄とかで教えてください。
みんなの暗黒記憶よせあつめて「サイケデリックちびまる子ちゃん」できるんじゃない?

わたしは電車に乗ってただけ

山伏への決意は捨ててない、ただホラ貝が高くて買えやしない、
だからホラ貝の代わりにあの娘はいつも歌ってる、そんなような2コです。こんにちは。

まず報告です。すっかり足を洗ったカレー界に異変が起きているようです!
一回戦が7月23日に終わります。
この時点で勝者が16人出るはずです。
これまでのカレー道場の流れでは、
この16人をシャッフルして2回戦を8回やり、3回戦を4回やり、
4回戦を2回やり、決勝、ってことだったのでしょう。
しかーし!
カレーの王子様、否、カレーの王様、否、カレーの鬼、田口史人は今怒っている!
怒っているのである!
鬼の言い分はこうである!
「今までは本当にカレーの得意な人、料理のじょうずな人に出てもらってたから、
毎回ちゃんとおいしいカレーが2種類食べれてたのに、
今期は全然料理したこともないような人とか拾った鍋で作った人とか、
衛生的にもやばかったりするようなのまで出てる!!
店の営業的にもまずいし、イベントも荒れてきて、
ただただ友達の応援に来て、キクチのルール説明も聞かないで騒いでるような客が増えて、ほんとにカレーが好きで来てた人が来なくなっちゃった。

おいしいカレーが食べたいんだよ!
うまい飯が!!
それだけなんだよ。」

というわけで、1回戦の勝者16名の中からたぐちさんが、
決勝まで勝ち残ってもちゃんとやれそうな8人選んで、2回戦をやるそうです。

それ、マガジンに書いてもいいかと訊いたら、
「怒ってるって書いといて」と言われたので怒ってると書きました。
怒ってるそうです!

つーか、焦げたカレーを客に喰わせたわたしが
何をいばって代弁してんのか。

いや、だからこそ、わたしの今後のカレーはたぐちさんに捧げたい。
山に篭り滝に打たれ火を渡り五穀を断ち神通力を身につけスパイスを炒りつけ、
「とにかくうまい飯を!」と飽くことなく欲し続ける鬼に、
さっき浴びてきた滝がまだしたたってるようなカレーを差し入れたいんです。
ここに、修験道とカレーの完璧な融合が果たされるわけです。
もちろんそのことに意味など一切ないですけど。


報告オワリ。


さて今回の朦朧見聞録は、前回に引き続き電車に乗っていた時の話です。
「車内奇人リレー」みたいなのに遭遇しましたの。

某月某日(クリスマスシーズンでした)

晴れた暖かい日のことだった。
わたしは、友人と待ち合わせる新宿に行くべく、最寄り駅から宇都宮線に乗った。
車内には冬の昼間の白っぽい光が差し込んでいたのをおぼえている。
ななめ向かいに、ホームレス
風のじっちゃんが座っていた。
でかい荷物を足元に置いている。
家財道具の全てを持って、移動だろうか、暖を取るために電車に乗ったのだろうか。
クリームパンを喰っている。
ぼんやり眺めていると、喰い終わったじっちゃんは独り言みたいな調子で歌い始めた。
だいたいこんな感じの歌であった。

「おらは浮世の根無し草〜♪泣いちゃおれんぜぽんこぽんこぽん♪」

歌い終わって、「はははー」と楽しそうに笑っていた。
ぽんこぽんこぽん♪、ってのが調子が良くて愉快であった。
歌った後は、
「今日はぽかぽかしてっからいいけど、台風23号が来たら全部ふっとんじまうからなぁ」
と、誰にともなくずっと言っていた。
その、「23号」ってのはどこから限定されているのか。
いつかの年の、台風23号に全部ふっとばされて根無し草になったのだろうか。

時々、この、「台風23号が来たら全部ふっとんじまうからなぁ」というのを思い出す。
思い出して、のんきな終末感みたいなのを感じる。


待ち合わせまで間があったからすぐ新宿行かないでどっかで時間つぶそうと、
上野駅に下り構内の本屋で立ち読みをして
山手線に乗った。

向かいに座った土木作業員風のあんちゃん(オタクっぽい茶髪・清潔感のないヒゲ・前歯なし・大荷物)が、なんかこう、手振りで何かを説明してるんだね。
これもまた、誰に向かってというわけでもなく。
「ここのあれがこうなるからそこはそれで」って。
その手振りがやたらにキレがいいのである。漫画だったらシュッシュッと音がしそうなくらい。
何かにせきたてられるかのようにあんちゃんは、
「で、これがこうなっだろ?そうすっとこれがさあ」と、まくしたてる。
何の手順を説明しているのかは、わからなかった。

…立て続けかよ!

さらに。
そのあんちゃんが途中で降りたと思ったら今度は入れ替わりで、
上半身はふつうのキャップにセーター(なんか派手なセーターではあった。中にワイシャツ)なんだけど、下が、ボトムスが、下半身が、あんた稲葉(B’z)かよ!
それとも安室ちゃんかよ!
というような、ホットパンツ?をお召しになった、
おじいちゃんが乗ってきて、はす向かいに座った。
つーかビーズ(もうスペルめんどくさい)のイメージが「ホットパンツ」しかないんですけど、
それを人に言うと「情報が古すぎる」といつも言われます。
わたしのテレビ的な世界の情報は、
テレビをよく観ていた10年くらい前で止まっております。

とにかくそのおじいちゃんはよ、太ももぬらりと丸出しでですね。
もはや露出狂なみのいただけなさでしてね、
露骨に「ブツ」をばーんとまろび出していれば、
意図もわかるし通報もできるというものだが、
ぴちぴちホットパンツのじいさんつうのは、得体が知れなさ過ぎて恐ろしかった。

そのホットパンツの短さたるや、ポケットの内側がね、裾からはみ出てるくらいだから。
ポッケより短いんだってば。ジーンズ切ってこさえたらしいんだけど。
そのじいちゃんがさ、ガリガリじゃなくてけっこうがっしりしてて、
しかもちょっと色黒くて、すね毛は薄くて、つまり黒光りしてるような、そんな太もも。
最高に困る感じの太もも。 
近くに座っているカップルが指差しながらヒソヒソうわさしておりました。
ああ、よかった。わたしだけに見えてるんじゃないんだ、あの太もも。


えーと、非常に狭い話をしますけど、
町田康の短編小説『けものがれ、俺らの猿と』を映画化したものがあり、
とにかく鳥肌実演じる狂人「田島」が素晴らしいのだが、
その映画に「楮山」という胡散くさいプロデューサーが出てくる。
趣味の悪いシャツを着て、咳き込みながらどもりながらしゃべりながら失神してしまうおっさんなのだが、太ももじいさんはその「楮山」にとてもよく似ていた。
顔かたちは忘れてしまったが、太もものことを思い出すと「楮山」のことを思い出す。
「楮山」はホットパンツをはいているべきだった。
山手線のあのじいさんが演じるべきだった(のか?)。
映画をご覧になった方は、あのおっさんがキャップにグラサンに背広にぴちぴちのホットパンツ姿で主人公・「佐志」を訪れるのを想像してみてください。

youtube で予告編みつけたので貼ります。
「楮山」、一瞬映ります。ああ、トリ様が最高に輝いている。




ともあれ老人の黒光りする太ももに「ギャー!」と思いつつ、
よろよろと新宿に降りたところ、「聖書の言葉です。イエスは言われました、わたしを信じる者は救われる」「ナントカカントカで地獄に落ちる」「世界が終わる」「罪がどうのこうの」という、重々しい声、声、声・・・が録音された機械をくくりつけた立て看板を持った人、人、人・・・
が、東口にも南口にも東南口にも新南口にも西口にも(たぶん)、立っていたのでありました。

台風じっちゃん→エア説明あんちゃん→太ももじいさんときて、ゴールはこれですか。
と思いましたが、この「声」については、詳しく書きますまい。

そんな日もあるさ、と軽い感じで〆たいですが、
なかなかそんな日はないです。また来て欲しいものです。

世界の車窓から妄想の洪水を

地球の皆さんコンニチワ!あなたの街のレディ・ガガ、暮らしの中のレディ・ガガ、意外と身近なレディ・ガガ、街で出会ったレディ・ガガ、森でみつけた小さなレディ・ガガ、2コです。

今回はがんばった書き出しを無に帰す勢いで実体のない話を書きます。

「妄想の設定資料」

…まあ聞けよ。聞いてくれよ。

電車にぃ、乗ってたじゃないですかぁ、景色がぁ、見えるじゃないですかぁ、それでぇ、その景色を舞台にした漫画か映画を妄想したってわけ。そういうイマジネーション遊びをしたってわけ。それをここに書くってわ・け!!

鉄の人には申し訳ないが、何線かは失念しました。とにかくわたしは松本に向かっておりました。なるたけ安く済まそうと、新宿から中央特快で高尾に行って、知らんとこ行って、甲府に行って、知らんとこ行って、あーもう忘れた!とにかく特急を使わずに行ったのさ。初めて乗る線ですもの、そりゃあ窓の外をガン見ですよ!

山あいの小さな家や畑のそばを通るときがいちばんしあわせ。くわを持ったばあちゃんが伸びをしてたりさ。知らん果樹の花が咲いてたりさ。日当たりのいい墓地が山の斜面に貼り付いたりしていてさ。あーわたしもこんなところで永眠したァい、なんて思ったりさ。煮てさ。焼いてさ。喰ってさ。

で、じゃあ、本題という名の与太話はじめますけれども。

●戦争の好きなすいとん屋
世界の車窓から見えたものがこれだ。たぶん割と遠目に見えたくせにインパクト大すぎた。

すいとん、と、建物本体にでかでかと書いてある。え、す、すいとん?すいとん屋?
その2階にさらにでかでかと、くろぐろと、勢いのいい筆遣いで「自衛隊員募集」と書いた看板が掲げてあり、ダメ押しに、屋上に馬鹿でかい日の丸の旗がひるがえっている。
ほんとですよ?現実ですよ?ここはまだ妄想じゃないですよ?

(たった今2分で描いたのでヒドい絵だな。でもこんな感じだった)


うわー。すいとん、自衛隊、日の丸・・・!
(ここから妄想入る)

たぶんさぁ2階の部屋に元軍人の戦争マニアのボケたじいちゃんがいるんだよ。
灯火管制を未だにやってて、朝は竹槍訓練、夜はトントン、ツーってなんか通信してて、
トラトラトラとか?
そんなじいちゃんが、来るべき第三次世界大戦のためにメンツを募ってやまない。
(ほんとは近衛兵志願者求ムとか書きたかったんだろうな)
孫が影響受けちゃったか何か知らんが、ミリタリーオタクの引きこもり中学生でさあ。
零戦のプラモとか作っててさあ。
お母さんがひとりですいとん屋を切り盛りしてて(お父さんは死んだか蒸発した)、
デラックスな肉入りとかもメニューにあるんだけどそれをオーダーしてるところをじいちゃんに見つかろうものなら大変、「ぜいたくは敵だ!月月火水木金金!!」という雄叫びと共に竹槍が飛んできたりテーブルをひっくり返されたりなどする。
じいちゃんが食べるのはもっぱら「素すいとん」だ。

店に来るのはたとえば近所の学習塾の塾生。授業が終わった後に寄る。
じいちゃんの戦争仲間。軍歌の大合唱。
働き者でいつも明るいお母さんのファンの、塾の先生。シャイなのでひたすらすいとん食べるだけ。

あ、これ漫画ならあれですね、松本大洋か黒田硫黄か、
アフタヌーン愛好者しかわからないかもしれないが稲見独楽の画風がいいなあ。
映画なら・・・って映画観ないからどの監督のあのカメラワークとかわからんし、
俳優も知らないからなー。具体的に妄想できん。ここはクドカンに任せよう。

●立派すぎるビニールハウス群

もはや造形美!!!というようなビニールハウス群が見えました。
ビニールハウスはかっこいい建造物だと思う。ずらっといかついのが並んでたら圧倒される。変わった形状だった気もするが、具体的にどうだったのかは、忘れました。
何しろ、見た瞬間に頭が別のところに飛んで、
「ビニールハウスの大聖堂」ってどうよ、と考えていたからです。
(日本式の城でもいいがゴシック建築の方がビニール栄えすると思う)
現代アートの人とか作ってくれないかなあ。ぜったいかっこいいけどなあ。
山あいの小さな街にそびえ立つ、朝日を浴びてぺかぺかと輝く、透きとおる、
ビニールハウスのゴシック大聖堂!!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E5%BB%BA%E7%AF%89

戦争の好きなすいとん屋がある傍ら、この街(妄想の中の街)には
ビニールハウスの大聖堂に住んでる豪農の大地主がいるのである。

あー!そんで、この大聖堂の部分だけ、山手線の各駅の絵を割り箸ペンみたいなタッチの墨絵で描いた外国人のアーティストに描いて欲しい。

調べたらジム・ハサウェイという人だった。
http://brushink.com/fujisawa.htm

http://www.google.com/images?q=%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%83%8F%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4&um=1&hl=ja&lr=lang_ja&tbs=isch%3A1%2Clr%3Alang_1ja&sa=2

どうやら割り箸ペンは使っていないみたいだが、(割り箸ペンって当たり前に書いてるけどわかるだろうか?割り箸の先を細く削って、そこに墨などをつけて描くのです)その強弱のついたよらよらした線でビニールハウスの骨を描いたらかっこいいだろう。魚眼レンズみたいに歪んだ風景の描き方もビニールハウスの大聖堂向きだ。

大聖堂というからにはこのうちはキリスト教を信仰しているはずだ。
隠れキリシタンの末裔が、大地主になって隠れるどころか透明な素材でばばーんとやっちまったんだ。丸出しだ。
朝の礼拝ではじいちゃんばあちゃんとーちゃんかーちゃんのこぶしの利いたオラショ(隠れキリシタンに伝わる賛美歌のようなもの)が響き渡るんだ・・・
ほんとはりんご農家がいいけど(キリシタンなのに禁断の果実を栽培ってとこが)、
りんごはハウス栽培しない気がするから、桃の農家がいいかなあ。
じゃあこの妄想の街は山梨のどこかだ。

そしてこのビニール大聖堂の深窓の令嬢(高校生)とすいとん屋の引きこもりが何故か恋に落ちたりなどすればおもしろい。


●ドリンクストア
ジュースの自販機を5つくらい並べて囲ったと思われるスペースに、「ドリンクストア」という名称が与えられていた。これも遠目から見ていたくせに変に印象に残っている。

多分ここは地元の女子高生のたまり場になっていて、
恋ばなとか嵐の話とかで盛り上がるのだろう。
一人称は「うち」である。ストアの売れ筋はチェリオやサンガリアが望ましい。

この「ドリンクストア」で妙なうわさ話が交わされ始め、
次第に街に蔓延し始める。
女子高生たちはうわさに関する特権階級となり、
中には預言者めいた言動を取り始める者も出てくる。

・・・ってこれ、どっかで読んだSFだな。恩田陸だっけか?

まあいいや。そいで、そのうわさの中心にビニール大聖堂の嬢ちゃんがいて、
うわさでは街の夏まつりの夜に何かが起きることになってて、
当番制の司祭の順番が回ってきたすいとん屋の戦争じいさんがその時だけ正気に戻ったりして、
女子高生の変死体が見つかったりして、
すいとん屋のミリオタ坊やが事件解決の鍵を握ってたりして、
最終的になぜかビニール大聖堂が空を飛ぶ、と。

そんな壮大なドラマを妄想したわけですよ。
漫画家か映画の脚本家の方、作ってくれないですかね。

というわけで、カレーから足を洗ったわたくし2コの連載は、
こういう感じの地に足がつかないことばかりを綴るものにします。

題して!

「エーツー2コの 朦朧見聞録」

前回・前々回の、はくち親子の話とエーツーがドイツに打ちのめされた話も
「朦朧見聞録」だったと思ってください。
そして今回の妄想ばなし、とくれば、だいたいどういう感じかわかっていただけると思います。
カレーのようなキャッチーさはないですが、おもしろく書けるよう努めます。

あとは告知です。

エーツー、ライヴします!

7月17日(土)
Fine Vacationの鈍行ツアー夏の陣 第二夜
「大人を棚に仕舞う夜」
7月17日(土) 吉祥寺fourth floor
http://fourthfloor.jp/
open 18:20/start 18:40
charge ¥2000 (1 drink含む)

共演:
●山本新 
http://www.yamamotoarata.jp/
●わだちひろ 
http://homepage3.nifty.com/chiikama_tv/
●鬼子母神不眠ガールズ  
http://www.myspace.com/kishibojinfumingirls
●エルコ (opening act)
●戸井安代 (畔) (intermission act)
DJ: 丸芽志悟、SPINOUT

http://homepage3.nifty.com/fine-vacation/

エーツーの出番は3番目、19:45〜の予定です。
大人になどなったおぼえはないですが、
おぼえのない大人までも棚にぎゅうぎゅう仕舞いこみ、
サマーの夏の鬱屈と、不穏さと、プリティさを、
電気の通わないテクノポップに乗せて爆発させたいと思います。

先日の打ち合わせでセットリストを決めた時、
「これじゃまだ荷物が足りねえ」と、
わざわざ荷物が増えるような仕込みをしました。
「ライヴの良し悪しは荷物の量で決まる」という、何の根拠もない思い込みが
エーツー内で炸裂中です。

大荷物に免じて、皆さん来てくださいね〜!


ドイツにやられた日

では今回は、エーツーがライヴや打ち合わせではなく、ただただ遊びで出かけた時の話です。
エーツーというのはわたし2コがやっているアイドルユニットで、
相方はリーベちゃんという頭のおかしい女の子です。
その頭のおかしさは、皆さんが想像するような甘美なものじゃありません。
まあ今回はリーベちゃんのキ狂いの話じゃないのでそれは置いときましょう。

 
某月某日(梅雨どきでした)

オリーブ(今は亡き乙女ファッション誌)に載ってたキ●ガイ乙女小説
「東京プリンセス」の真似をして白山神社であじさい見たりしてたら、
雨が大降りになってきて、これ以上外を歩くのはいやだ、という話になった。

そこで相方リーベの提案:「ね、今日体調だいじょうぶ?悪くない?」
わたし:「どゆこと?」
相方:「肉とかガンガン食べれる感じ?」
わたし:「あー肉?肉喰いたいよーいけるよーガンガン。」
相方:「すごい盛り上がりそうなドイツ料理の店を見つけたんだけどさー」
(注:リーベちゃんはドイツびいきである。質実剛健でしかめつらしい感じがいいらしい)
わたし:「なにそれ」
相方:「いや、HP見ただけなんだけど、味付けとか日本人向けにアレンジしてないらしいんだよね」
わたし:「・・・ちょっとこわいんだけど」
相方:「すごい肉のかたまりとかさー」
わたし:「あードイツ!!」
相方:「生演奏とかあってすげー盛り上がりそうなんだよ!市ヶ谷にあるんだけどさー、もう行っちゃう?はやばやと」
わたし:「・・・ドイツ行こう!肉どすどす喰おう!」

だいたいこんなラフな会話が交わされましてですね、市ヶ谷に移動したわけです。

その店はこちら。
http://pauke.comuv.com/

18時からオープンということで、開店待ちのため、近くのドトールでミーティングなどする。
ミーティングと称してキ●ガイ乙女小説の悪口などをつらつらとしゃべっているうち、
18時を過ぎており、「ドイツ開店待ちにいいジラし入ったよ」と相方が言うので、
さあドイツへいざいざ!
(そもそもドイツに開店待ちするというこのやる気具合が頭おかしいのだが、
それに「ジラし」を自分たちみずから入れるというところがさらにおかしい。)

そこで遭遇したおかしな事件、むしろ事変、東京事変、いや、ドイツ事変とは。

●まず、ドイツの店なのに明らかに「違う現地」のおにーちゃんがいる。
タヒチかどっか・・・?
開店前は半ズボンはいてたし!

●熟年不倫ぽいカップル(常連とみた)、何かと自慢たらしげな口調のオヤジが、生演奏のクラリネットとバイオリンを自分らの席のそばに呼び、そこで演奏をさせた(きっと「彼女に一曲プレゼント」ってことだったのだろう)。
そいつらがわたしたちの隣の席だったので、わたしの頭にバイオリンの弓キコキコする手とかクラリネットの先とかぶつかりそうになって超あせる。
なんなのこれ!この状況!このこうむりっぷり!おかしくってヒーヒー笑ってしまう。
頭の上をバイオリンやクラリネットがかすめるだなんて!バカ!バカ!

●そのオヤジ、常連の上にそんなことまでしといて「ザワークラウト」が何なのか知らなかった。

●店に入ってくるなり、「アサヒビール」とだけ言い、分厚いドイツビールのメニューを「これはいいから」とつっかえすオヤジ。食い物も何も頼まない。 なのに生演奏始まるとノリノリで、
わたしたちにまで乾杯を強制してきた。アサヒビールのくせに!
仕方がないからドイツビールとアサヒビールで、「プロージット!」って乾杯した。

●アサヒビール1杯で居座るこのオヤジ、それなのに歌い手のおねーちゃん(おばちゃん)を
隣に呼び寄せ、キャバクラごっこ。ドイツビールも飲まないくせにおねーちゃん(おばちゃん)が歌ってる時、一緒に歌ってたし。おさわりしてるのも見逃さなかったからね!
そんなトンデモ常連のオヤジの靴下は、わたしはしかと見たけれども、猫ちゃんのかわいい柄だった。本物の狂人かもしれない。

●最初はおとなしくソーセージを喰っていたわたしたちだが、どうしても馬鹿でかい肉の塊、相方がドイツで食べた時はハズレだったという、4100円もする、どう見ても4人前くらいはありそうな、 「アイスバイン」を食べたくなってきた。だって本格的ドイツ料理の店だよ?
なっかなか行かないでしょ、そんな難しそうなとこ。
 「コレ行っとかなきゃダメなんじゃ」って気分になってきて、つい頼んでしまった。

そして、「ドイツ人は食べない」とまで相方が断言したバウムクーヘンも、なんとあったので、これも頼みました(エーツーはバウムクーヘンびいきで、いっとき「バウムクーヘン連合」略して「バム連」なる団体を作り河原で焼いてみたり「バム連歌」という曲を歌ったりしていた)。
アイスバインよりバムが先に出てきた。
クリームとチョコレートソースとキャラメルソースでデコレーションしてあって、
「これ現地の食べ方じゃないだろう」
「てゆーか、メニューにあること自体ウソだし」
 「きっとこれ出たの久しぶりでさ、厨房ではマニュアルがわかんなくて適当こいたのかも」
「生クリームの賞味期限ギリギリかも」
とかまたしても悪口をたくさん言って食べましたが、このバウムクーヘン、ほんのり塩味が効いてて、クリームやソースの甘さとちゃんと合ってておいしかった。

●そしてついにご本尊、「アイスバイン」の登場。
うわ肉や!骨付きのかたまりの肉や!どっどっドイツの大爆発。
うまいの?うまいのこれ?って、大きく切り分けてがっと喰らう。
ウソ!うまいじゃん!肉、とろとろ。味付けは塩。へえーへえーおいしんだあ。アイスバイン。
後はもう、楽しくなって、 ビール飲みながらフォークで好きにむしってガンガン喰った。

●90年代のJ-POP顔すぎる男と、普通の女の子のカップル来店。
あー・・・と、もしね、わたしがね、デートでね、「本格派ドイツ料理の店(生演奏つき)」に連れてこられたら、けっこう戸惑うと思うね。
相方がドイツ好きじゃなかったら絶対来なかっただろうし。
しかもこんな濃ゆい常連がいる店。
なんでここ!?君ら、ドイツ好きカップルか!?何頼むん?「アイスバイン」いっとけって。
コレ頼まなきゃここに来たイミないっしょ!いけー!アイスバイン!!
と、遠くから勝手なことを言いまくる、肉塊を頼んだ優越感から物を言う、などをしていると、
J-POP顔、もう一人登場。何の三人組だ。ドリカム!? 男二人はゆずかジュークみたいだぞ。それかラズマタズ。
結局、ドリカムはソーセージ喰っててアイスバインは頼まなかった。

それにしても、ドイツ料理は肉と馬鈴薯とキャベツだけだったなあ。
ドイツに長期滞在はできんなと思った(相方は肉食なので全然平気だったらしい)。

かくしてその夜。
食いつけない量の肉・及び肉のあぶらに、わたしのからだは拒絶反応を示したもよう、
思いっきり腹、くだる。あぶらがそのまま出る感じ。
げっっそりだ。悪口のばちも当たったに違いない。

ドイツにしてやられた夜。
それにしてもね、あんなおかしいことが目白押しな夜も珍しかったわ。

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